第11回‐仕訳過去問(H24/3実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『工事進行基準』の仕訳。第11回試験の第1問‐仕訳問題の5問目。建設業経理士のド定番論点です。工事進行基準のノーマル版の問題です。コツは公式の徹底暗記。本当によく出るので、何回も繰り返しておきましょう。

第5問‐工事進行基準

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問のテーマの「工事進行基準」は、『公式の徹底暗記』に尽きます。

 まず、テキストの公式を丸暗記です。一字一句、完全に憶えこみましょう。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者に味噌を塗るときの方です。

公式

 「工事進行基準」の公式は…、

 工事収益=請負金額×「当期末までの実際発生原価累計額/見積り工事原価総額」-過年度工事収益累計額

 …です。

前期の完成工事高(工事収益)

 まず、第1に計算すべきは、前期の完成工事高(工事収益)です。

 ここがわからないと、先の公式の…、

 工事収益=請負金額×「当期末までの実際発生原価累計額/見積り工事原価総額」-過年度工事収益累計額

 …当該下線部分がわからないため、当期の収益が計算できないからです。

 設問では、請負金額は「5,000,000」で、前期に発生した工事原価は「1,500,000」で、工事原価総額の見積りは「4,000,000」なので、これらの数字を公式に放り込むと…、

 「5,000,000×1,500,000/4,000,000‐0」の「1,875,000」が、前期の完成工事高(工事収益)となります。

当期の完成工事高(工事収益)

 次いで、当期の完成工事高(工事収益)を求めます。数字をぶち込むだけです。

 前提はほぼ一緒です。

 請負金額は「5,000,000」で、前期に発生した工事原価は「1,500,000」で、当期に発生した工事原価は「2,000,000」で、工事原価総額の見積りは「4,000,000」で、前期の完成工事高(工事収益)が「2,400,000」なので、これらの数字を公式に放り込むと…、

 「5,000,000×(1,500,000+2,000,000)/4,000,000‐1,875,000」の「2,500,000」が、当期の完成工事高(工事収益)となります。

 完成工事高は、いわば「売上」なので…、

 貸方:完成工事高 2,500,000

 …と相なります。

 これで主要な数字がそろいました。後は、細々したものを、チョイチョイするだけです。

完成工事未収入金

 先の仕訳『貸方:完成工事高 2,500,000』の相手勘定を処理しましょう。

 本問の場合、問題文で指示されているように、「前受金はゼロ」です。

 んなもんで、「未成工事受入金」は「ない」という寸法です。

 従って、完成工事高の\2,500,000の全額を、売掛金に当たる「完成工事未収入金」で処理します。

 資産の増加なので…、

 借方:完成工事未収入金 2,500,000

 …と相なります。

振替処理

 残るは、当期発生の工事原価\2,000,000の処理です。

 実際発生の工事原価は、おおむね「未成工事支出金」で処理されています。ですから、\2,000,000の「未成工事支出金」を、「完成工事原価」に振り替えます。

 仕訳は簡単です。借方に計上されている「未成工事支出金」を減らす処理をするので…、

 借方:完成工事原価 2,000,000

 貸方:未成工事支出金 2,000,000

 …と相なります。





まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 文字だけ見ると「ややこしい」ですが、公式さえ憶えていれば、後は算数の問題です。

 工事進行基準は、普通のと、見積り変更の2通りの出題があるので、それぞれの公式をしっかり憶えこんでください。本当に、よく出ます。

 ところで、「工事進行基準」ですが、解答時間がそこそこかかります。

 他の解きやすい問題を済ませてから、本問に本腰を入れるのがベターです。心に余裕を持って解けます。

11回‐第1問:仕訳

 1問:手形借入・・・「ふつう」。

 2問:時価評価・・・「ふつう」。

 3問:利益処分・・・「ふつう」。

 4問:改良修繕・・・「ふつう」。

 5問:工事進行基準・・・「ふつう」。

 index

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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