FP(ファイナンシャルプランニング)技能士の1級・2級・3級を受験するに当たっての注意事項、勉強方法や教材へのリンク。独学合格可能であるが、必要や当否を見極めた上で受けることを推奨。腕のいいFPなら、資格に費やす金銭を、貯蓄に回すようアドバイスする。
各級の勉強方法等を知りたい人は、「FP技能士3級の独学」「FP技能士2級の独学」「FP技能士1級の独学」を参考ください。
結論から言うと、FP技能士を取る積極的な理由はありません。
1級まで取ったわたしが言うのもなんですが、『他の有効な資格を取った後』から、FP技能士を取得しても、支障はありません。
日本には、弁護士や税理士、社労士等々の資格制度(規制)があるため、『FP』という職業自体が、かなり制限されたものになっています。
FPの試験勉強の最初に、「倫理」について勉強することになります。
当該論点で繰り返し語られることが「業務範囲・業務対象」です。
日本のFPは、先の資格制度があるため、「有償・無償を問わず、税金や法律の個別具体的な相談ができず、一般的な説明のみが可能」なことを、叩き込まれます。
たとえば、相続について、一般的な説明はできるのですが、相談者が「じゃあ、遺言をどう書きましょうか?よかったら、書いてもらえませんか?」となると、「そこから先は、各専門家にお願いします」と、相なる次第です。
このように、FP技能士は、顧客の個別具体的な対応ができないため、実効性は、かなり薄いといわざるを得ません。
日本のFPがぱっとしないのは、各種規制があるため、突っ込んだ活躍ができないからです。
「帯に短し、襷に長し」を、地で行くのが、FP資格です。
各種規制があるため仕方がないのですが、言うほど、FP系の資格は、役に立たないことを、頭の片隅に置いておくべきです。
このページを書いているとき(2018/8)のFP資格のハロワ求人数ですが…、
FP技能検定1級‐3件
FP技能検定2級‐9件
FP技能検定3級‐10件
…となっています。
同系のFP資格では…、
CFP/AFP‐4件
…です。
この数字を踏まえて、受験を考えてください。
なお、最新データは、「ハローワーク資格別求人数データ」にあります。
ところで、ハロワ登録資格の求人数1位~200位は…、
…を、参考ください。
なお、同系統の「CFP・AFP」ですが、FP技能士との違いを、「CFP・AFPとFP技能士との違い」にまとめています。一読願います。
わたしは、社労士や行政書士等の有資格者であるが故の、FP技能士受験でした。これらの資格がなかったら、受けてなかったです。
勤務先で、資格取得支援があったり、資格手当が付くのであれば、“FP技能士の取得の十分な理由”ですが、そうでないなら、よくよく考えた方が賢明です。
FP技能士の試験勉強は、「お金」に関する知識や教養を得るのに、有用ではあります。
しかしそのために、多額のコストを費やすのは、本末転倒です。
ぶっちゃけ、数冊本を読めば、FPの知識は得られます。
また、「FP」という職業に就くのに、資格は必要じゃないので、この点でも、よくよく考えるべきです。
腕のいいFPなら、FP資格に費やす金銭を、貯蓄に回すようアドバイスするでしょう。
FP技能士の3級ですが、合格率は6割です。きちんと勉強すれば、必ず合格できます。
もっと言うと、“てきとーな勉強”でも受かります。
基本的に、“ちゃんと勉強する気がないなら”、受験しなくていいです。お金の無駄だからです。
FP技能士は必置資格ではないので、企業には、需要がありません。履歴書に書いても、大半は「フーン」で終わります。
参考:必置資格とは?
3級を取得する最大の利点は、知識と教養です。「勉強する気がない」なら、もっと言うと、単にライセンスが欲しいだけなら、他の有用な資格を取る方が賢明です。
無用な資格を取って、試験主催者にお布施をするくらいなら、おいしいレストランに行きましょう。下着を買換ましょう。
「何か資格を」と思っているのなら、「性別・年代別-独学資格ガイド」や「クラス別-独学資格ガイド」を参考にして、他の資格を取った“後からで”よいかと思います。
「ちゃんと勉強する気がある」のなら、成年にとっては、身の回りのお金全般について、コンパクトに勉強でき、漠然としている「お金概念」が整理されていく感覚を得るはずです。
若者にとっては、今後、自分の関わるお金が具体的に「見える」ので、全く損ではなく、『視野』が確実に広がります。
3級合格後には、「お金」に関する知識も増えますし、「お金」に関する他の資格、たとえば、宅建などにも、興味が湧くはずです。
繰り返しますが、FP技能士は、ライセンスそのものに価値はありません。
ライセンス以上に、あなたの頭の中に入っているものの方が大事です。
ふつふつと湧くやる気があるなら、挑戦してください。向学心のある人には、いい資格です。
勉強方法等は「FP技能士3級の独学」を…、
独学向け教材については、「FP技能士3級の教材レビュー」をば、ご参考ください。
2級事情も、3級と同様です。
“ちゃんと勉強する気がないなら”、受けなくていいです。
先だって述べたように、FP資格に求人はありません。必置資格ではないFP技能士は、需要がありません。
こうしたことから、就職や転職目的で狙う資格ではありません。履歴書に書いていても、スルー率が高いでしょう。
加えて、合格率も下がり気味で、「20~30%前後」に落ち着いています。
まじめに勉強する気がないと、取っても意味がないし、下手すりゃ落ちて受験料が無駄になるという、泣きっ面に蜂な塩梅です。
「何か資格を」と思っているのなら、「性別・年代別-独学資格ガイド」や「クラス別-独学資格ガイド」を参考にして、他の資格を取った“後からで”よいかと思います。
2級FP技能士を取得する積極的理由は、「1級の受験資格を得るため」です。
別のページでも述べていますが、「FP技能士」は当該名称を名乗るのに「お金」は要りません。
資格名を、名刺等々に「フリーコスト」で使える資格はほとんどなく、この点、FP技能士は珍しい資格であります。
ちょっとした『公的な称号』が欲しい方が、2級FP技能士を狙うのは、「コスト」の点で、決して損ではありません。
“1級”には、そこそこの訴求力があるので、差別化にも適しています。
よって、1級の受験資格狙いの人は、2級に挑戦してみてください。
勉強方法等は「FP技能士2級の独学」を…、
独学向け教材は「FP技能士2級の教材レビュー」をば、お目汚しください。
1級は、最終合格までに要する費用が高くつくので、相応の理由のない限り、受ける必要はありません。
まず、受験料がかなりアップします。学科試験はそう変わりませんが、実技試験が安くて2万円超と倍増します。
加えて、難易度です。1級の筆記試験は、2級・3級と比べて、格段に難易度が上がっており、テキストと過去問演習だけでは、運否天賦です。
運が悪いと、学科試験を2~3回は受けることになるので、その分の予算を見越しておかねばなりません。
なお、実技試験は、受験料は高いですが、合格率は高いので、1回でパスできるでしょう。
勉強方法等は「FP技能士1級の独学」を…、
独学向け教材は「FP技能士1級:学科教材レビュー」と「FP技能士1級:実技教材レビュー」を、参考ください。
FP技能士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。興味のある方は、「FP技能士:ブログ記事」をばご参考ください。
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