2電工の技能試験の受験生が試験勉強の終盤に読むと有益なページ。第2種電気工事士の技能試験の最後の仕上げは、「わざと間違える」である。わざと欠陥を犯し当該欠陥の修正作業を体験しておく。一度でも、「欠陥発見→修正作業」を体験しておくと、本試験ではより慎重かつ確実に試験に臨める。これでケアレスミスすら怖くない。
第2種電気工事士の技能試験の試験勉強の最後の仕上げは、『わざと間違える』です。
2電工の技能は、練習さえしておけば、間違いなく合格できます。
しかし、ある程度、実力が完成した人でも、油断は絶対にできません。
というのも、ケアレスミスや予期せぬ失敗を、本試験でやりかねないためです。
わたくし事ですが、本試験で、日々の練習では、一度も“間違えたことのない”リングスリーブの接続(刻印)を間違えました。
本試験のその時は、かなり焦って、直しているときは、(ヤバイヨヤバイヨ)と手が震えたことを今でも思い出します。
わたしのケースでは、練習時に間違えなかったことが、逆に自分の首を絞めた、という次第です。
わたしの場合は、比較的カンタンな候補問題で時間がそこそこ余っていたので事なきを得ましたが、もし、難関問題なら時間切れで落ちていたはずです。
試験勉強の最後の仕上げが、「わざと間違える」のは、本試験での万が一の失敗への『心構え』を作るためです。
1回でも修正作業を体験しておけば、本試験で予期せぬミスを犯しても、動揺を極限まで抑えられることができて、欠陥のカバーが可能になります。
理想は言うまでもなく、「間違えない」ことですが、ケアレスミスを根絶することはできません。ですから、「ミスが起きてもよい」状態に、自分を持っていく、という次第です。
こうした理由から、最後の仕上げは「わざと間違えて、敢えて直す」です。
「極性違い」や「差込形コネクタ」は、たとえ、本試験で間違っても、引っこ抜いて入れ直すだけなので、わざわざ間違える必要はありません。
また、「回路間違え」や「配線の種類間違え」、「器具間違え」は、接続する際に指差し確認を『3回』すれば、100%防げますし、これらは、練習の絶対数が足りていれば、まず間違えません。
電線の心線や皮膜の損傷も、切ったときに(あ、コレやばいかな)と不安に思ったその瞬間に、やり直せばいいだけです。
ケアレスミスで欠陥をやらかしても、これらの間違いを正すのは、そう手間がかかりません。ですから、これらをわざわざ間違えることもありません。
わたしたちが注意すべきは、以下に述べる、「修正に時間を食う欠陥」です。
“間違っておきたい欠陥”は…、
・リングスリーブの圧着マークの間違え
・リングスリーブの種類の間違え
・リングスリーブの施工不良
・ランプレセプタクル・露出形コンセントなどの、ねじ止め箇所の電線被膜の噛み
・ランプレセプタクル・露出形コンセントなどの、ねじ止め箇所の電線被膜の剥き過ぎ
…となっています。
これらの欠陥は、直すのにかなり時間を取られるため、練習時にその危険を体感しておきたいのです。
リングスリーブの間違いは…、
①間違えたところをいったん切断し…、
②新たにケーブル・電線の寸法を測って外装と絶縁皮膜をと剥ぎ…、
③再びリングスリーブを接続する、という手間を払わねばなりません。
リングスリーブの間違いの修正は、本当に時間を食うことを、味わっておきましょう。
次に、ランプレセプタクル・露出形コンセントなどのねじ止め箇所の失敗ですが、これまた、時間を食います。
①器具から電線を外し…、
②失敗している電線部分を切断し…、
③再度、採寸して…、
④被膜を剥いて…、
⑤取付作業に入る…、
…といった感じで、作業を1からやり直さねばならず、トコトン時間を食うはずです。
わざと間違える練習の際は、必ず時間を計ってください。
修正作業を加えて、制限時間内で作業が終えることができるかどうか、確かめてみてください。
おそらくギリギリかと思われます。
もしギリギリなら、本試験では落ちていた可能性が大です。
というのも、独特の空間である本試験では、「動揺」の分もあって、修正作業はさらに時間を食うからで、多少パニックになっているため、普段ならできる作業でも、(あれ、どうしたらよかったけ?!)となりかねません。
そして、修正作業自体が、普段と勝手が違うこともあって、さらに手間取るはずです。
繰り返しますが、欠陥の修正は、予想以上に時間を食うことを、きちんと計測して、心構えを練っておきましょう。
先の「リングスリーブ」と「ねじ止め箇所」の修正には、「3分以上」はかかる、と踏んでおいてください。
一口で言えば、手間のかかるところを、わざと間違えてこそ、練習になる、という次第です。
理想は、「間違えないこと」に尽きます。
大半の合格者は、本試験では「1度も間違えることなく作業を終えているはず」です。
しかし、人間ですから、ミスをしてはいけない本試験こそ、ミスをやらかしかねないのです。(わたしのケースです。)
まじめに練習を繰り返すと、ミスの絶対数は激減し、安定して候補問題を組めるようになります。これで、ほぼ合格できます。
よって、残る危惧は、「ケアレスミス」と「不意のミス」だけです。
ゆえに、「わざと間違えて、修正する」ことで、ミスそのものに強くなっておく、という手合いです。
『欠陥をやらかすと、自分はどういう状態になるか。』
「間違える」と、こういう目に遭うのかとわかっただけで、本試験では、よりいっそう慎重に作業に臨めるかと思います。
ここまで対策を執ることのできる慎重な人なら、本試験でも、まず間違いなく合格できるでしょう。
がんばってください!
最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べているのですが、文系ド素人にとって、あると便利なものを紹介しています。
たとえば…、
「ホーザン 合格クリップ」や、
「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、
「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。
絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
2016年6月17日 10:02 AM
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