「諦めるな」が成立するのは、諦めなくても結果が凄惨なことにならない時と場所と機会に拠る。だから、試験勉強では諦めなくてもよい。
世の口癖のように言われている「諦めるな!」が成立するのは、当たり前のことですが、それが成立する世界に限っての話でございます。
その世界とは、たとえば、スポーツや試験勉強の世界でありまして、「諦めないこと」が、大事な心持ちでございます。
しかしながら、何でもかんでもを、諦めないのがいいのか、といいますと、そうでもありません。
世には、「諦めが肝心」という言葉もございます。
まったく才能がない分野なりで、諦めずにずうっとやっていても、時間の無駄であるし、もっといえば、自分の秘めた、開花していない能力なり才能の開花を、妨げることになるでしょう。
「諦めない」が致命的な結末を及ぼすのは、商売の世界でございます。
「諦めない商売」が、如何に害悪を撒き散らすか。
売上の加速度的低下、負債の更なる拡大、連鎖倒産の可能性増大、当事者・従業者の心身の健康被害は、この上ありません。
睡眠薬を飲まないと寝れない経営者や、電気が付いてないと寝れない経営者を知っていますが、まあ一言、悲壮でございます。
まさに、「諦めが肝心」が、商売の世界でありましょう。
話を元に戻しますと、スポーツや試験勉強の世界は、諦めずにずうっとやり続けても、そんな酷な結末が待ってないのでございます。
死にはしないし、巨大な負債を抱えるわけでもない、半身不随になるわけでもない、心に大きな傷を負うわけでもない。
「たとえ、結果が失敗に終わろうと、その程度のレベルで済むから、あきらめなくてもよい」と言っているわけであります。
スポーツでは、「諦めるな!」で猛進しても、怪我で終わるくらいか、ヘルニアにでもなるか、テニス肘になるか、膝の靭帯が脆くなるくらいであります。
半身不随になるまで、または、死に到るまで、スポーツを諦めないで続ける人は、まずいません。
試験勉強においても、また、然りでございます。
日常生活に多大な支障が生まれるわけでもないし、巨大な負債が発生するわけでも、一家離散するわけでも、やった本人が半身不随になるわけでもなし、そんな程度でございます。
「諦めない」にも、TPO(時と場所と機会:Time,Place,Opportunity)があることを、頭の片隅においていてくださればと存じます。
逆を言えば、お勉強におきましては、「諦めなくてもよい」次第であることを、ご理解いただければと存じます。
商売で、死や離散に到ったケースは、数え切れないほどございます。
2012年3月5日 2:42 PM
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