このページでは、法律用語「科料」と「過料」を説明していきます。
「科料」と「過料」は、ともにお金の金銭を支払わせる『罰金』です。
呼び方も同じで、どちらも「かりょう」と読みます。
しかし、ここまで同じようであっても、「科料」と「過料」は違うものなのです。
試験的には、ほとんど出題されることはないと思います。択一の中でぽろっと出るくらいの問題かなと思います。
まあ、就職の一般常識問題や法学基礎でお目にかかるくらいでしょう。
豆知識レベルのことですが、お目汚しください。
ややこしくて混乱しやすいので、「科料」は「とがりょう」と読むことにします。
ちなみに「とが」とは、「人からとがめられるような行為。あやまち。罰されるべきおこない。つみ。」です。
「科料(とがりょう)」とは、刑法で定められた、刑罰の一種です。
軽微な犯罪に科す財産刑で、「1,000円以上10,000円未満」となっています。罰金よりも軽い刑事罰です。
つまり、「刑事罰」なのであります。ここが、「過料」と異なる点です。
ややこしくて混乱しやすいので、前項に倣って、「過料」は「あやまちりょう」と読むことにします。
行政上の義務の履行を強制する手段として、あるいは法令の違反に対する制裁ないしは懲戒として科せられる金銭罰です。
「あやまちりょう」の方の過料は、一種の行政罰です。
科料・罰金と違って刑罰ではなく、刑法・刑事訴訟法は適用されません。
地方公共団体の条例の罰則として過料をよく目にします。新しい条例が制定されたら、ちらりと覗いてみてください。
歩きたばこ禁止条例は、タバコのポイ捨てをすると2~3,000円の過料を科す条例です。
刑法ではない罰金刑で、行政が課す金銭罰、それが「あやまちりょうの過料」です。
当該「科料」と「過料」の違いが問われたのは、通関士試験のときでした。
資格制限に絡んだ問題で、「刑罰」を過去何年間に受けた人は、欠格事由に当たる云々という問題で、「とがりょうの科料」は刑事罰であるから、「科料」を課せられた人は、欠格自由に当たるわけです。
一方、「あやまちりょうの過料」の方は、“行政の罰”ですから、欠格事由には当たらない、ってな、いやらしい問題で問われた記憶があります。
結構、受験生を陥れやすい用語なので、過去問などで問われたことがあるのなら、しっかり見ておきましょう。
まあ、「とがりょう」「あやまちりょう」と憶えておけば、重々しい「とがりょう」の方が刑事罰で、何となく軽い「あやまちりょう」の方が、行政罰と区別できるように思います。
※ お手数ですが、不備や間違い・勘違いがあれば、是非ともメールを下さいませ。
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