ぞくぞくと、有名人や有名企業の、寄付の申し出がございます。
誰がいくら寄付したとか、そういう話で盛り上がるのもよろしいかと存じます。
しかし、寄付という行為は、良心につながっているものでございますから、外から、とやかく強く言うことができません。
Aは○円も寄付したぞ、お前はどうなんだ、なんて言い方は、下種の勘ぐりの最たるものでございます。
日頃、悪役キャラ・斜めキャラ・やんちゃキャラで売っているので、名前を出すと困る人もおられます。
寄付とは、陰徳を積むことだから、名前を出すべきではない、と考えている人もおられます。
他人がどうこうしたと、大きく過度に騒ぎ立てるのは、どうかと考える次第でございます。
ただ、騒いでもよい人、煽ってもよい人もございます。
それは、これまで、涙や感動、感謝・感激で売っていた人たちでございます。
いい話、いい言葉で売っていた人たちでございます。
代表的なのは、「愛は地球を救う」でありましょうか。
わたくしは、少なくとも「愛は地球を救う」で関係した芸能人・組織は、この際、声を大きくして、自分たちが寄付したことを発表しなくてはならないように存じます。
彼らは、陰徳を積むよりも、毎年24時間をかけて、明徳を積むよう呼びかけていた人々でございます。
地球は救うけど、日本の被災地は対象外、では事が済むわけがありません。
寄付行為は夏しかできない、なんてことはないでしょう。
かの放送局、出演タレント、芸能人がいくら寄付したか、わたくしは興味津々でございます。
今回の災害への寄付は、今後の番組の趨勢を決めるでしょう。
今後、出演者が決まるたびに、ネットでは、彼らが東北地方太平洋沖地震でいくら寄付をしたのか、どこに寄付したのかが書き込まれて拡散されていくでしょう。
また、「愛は地球を救う」だけに限らず、感動・涙で売ってきた芸能人はまだまだおります。
今以上に、彼らが何を言ったのかではなく、大震災に際して、彼らが何をしたかが問われるでしょう。
現代は、インターネットの存在により、それが「問える」時代でございます。
もし彼らが、寄付とは陰徳であるから表に出すべきではない、といえば、彼らがこれまでにやってきた数々の番組は、嘘・演出・単なる企画であったことになります。
本心からではなかった、わけでございます。ただ、視聴率のため・ギャラのための「仕事」であったのでしょう。
そして、もし彼らが、これまでやってきた番組が本心のものであれば、被災地への寄付も「陰」ではなく、「明」のものにすべきでしょう。
なぜなら、彼らは、よいことは表立ってやるべきだからと考えたからこそ、そうした番組を引き受けてきたのですから。
口だけの人なのか、そうでないかが、明白にわかってしまう時代、それが現代でございます。
このあたりの事情を理解している者だけが、今後の芸能界で生き残っていけるかと存じます。
2011年3月25日 4:46 PM
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