怒らせるのは、兵法の定法でございます。
横山光輝作の名歴史漫画「項羽と劉邦」を見れば、いかに項羽が怒りに任せて、負けに負けていったか、お分かりかと存じます。
逆を言えば、相手を打ち負かそうとするならば、怒らせることでございます。
挑発します。悪口をいいます。
罵詈雑言を浴びせます。こんなことを言ってはいかんでしょ、ということを、敢えて言います。子どもに聞かせられない言葉を用います。
向こうが怒りに乗ったり、同じような事をしてきたら、しめたものでございます。ガシガシと向こうの領域に進出していけばよいでしょう。
わたしたちとしては、カッとして失敗したときは、なぜ自分が怒ってしまったのか、怒らずにいたらどうなっていたか、よくよく考えるべきでございます。
もしかしたら、相手の策に、まんまと乗ってしまったかもしれないからでございます。
もういいよ!と契約を切って清々したら、向こうが切りたかったなんてことは多々ございます。
あんな嫌な奴はいない、と思って別れたら、向こうは既にいい人がいた、実は二股をかけられていた、なんてことは、多々ございます。
別れ上手は恋上手なんて申しますが、怒らせてこそ、うまく運んでしまうことがある事を、わたくしたちは理解しておかねばなりません。
また、絶望も、よろしくはありません。
絶望に取り憑かれた一団を倒すのは、本当に何てことはないからでございます。
スポーツでも、向こうのチームに気合が全く入ってないと、余裕で勝てるのと同様でございます。
逆を言うなら、向こうを絶望させたあとで戦うのが、戦策の定道と言えるでしょう。
ですから、自分自身で勝手に絶望してはなりません。自分から負けに行っているだけでございます。
そして、絶望の気分がむくむく起きてきたら、それが一体どこから発生したのか、調べるべきでございます。
もしかしたら、敵側のデマ・虚報・策略が原因かもしれません。なら、それに乗っかってはならない次第でございます。
怒りの大気焔を上げたら勝てるのではないのでございます。
ホテルの喫茶店で談笑しながら、『損害賠償』や『損害補填』の話が出来るまで、自分の状態を、そして、集団を持っていかねば、本当の勝利は得られないことでしょう。事は成就しません。
本当に戦い、本当に戦うためには、怒りや絶望など、またそれらの派生物である非難や批判を捨てて臨むことを、祈る次第でございます。
2011年4月28日 9:46 AM
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