| カテゴリー: 過去のススメ |
思いますに、人間の意識といいますのは、本当に困った仕組みをしてございます。
例えば、ああ、困ったなと思うことがあると致しましょう。
わかりやすいように数字で表しまして、難易度「5」の困ったことがあったとしましょう。
しかし、この「5」の事柄は、そのときの気分や体調によって、感じ方は大きく異なってくるのでございます。
ちょっと疲れていたり、睡眠不足なだけで、受け取り方が全く違ってくるのでございます。
元気なときですと、さっさと済ませてしまおうと、ちゃちゃっと片付けるのですが、こちらの事情如何によっては、7にも8にも、ときには10にも見えてくるのでございます。
そうなると、やはり、やる気というのは常よりも大きくもって、気合を無理してでも入れてやらなければならなくなります。
その結果、余計に疲れると相成るわけでございます。
そら、難易度5に対しては5の力で済むのに、7や8を出していれば2割3割増しで消耗するわけでございます。
受け取り手の事情、つまり、わたくしたち自身がどうであるかで、物事の感じは異なってくることを意識の片隅にでもおいていてくださればと存じます。
季節の変わり目でぐったりしているときや、残業に疲れているときに、難解なことを考えても全く詮はありません。
仕事明けでありましたら、身体の状態は魂の抜け殻で、やる気の残りかすばかりでありましょう。
そんなときは、「5」のことでも大きく見えてしまうのでございます。
運の悪いことに、そういう元気のないときに、忘れてしまったところばかりにあたったり、極端に難しい論点にぶつかったり、問題を間違えてばかりしてしまうのでございます。
通常なら、(ああ、またかいな)で終わるのに、こちらが疲れて気落ちしているものですから、なんでもない普通のことなのに、(ああだめだなあ)と深く意気消沈してしまうわけでございます。
よくよく考えてみれば、これまでにも、よく忘れよく間違って来たのでございます。
いまさら、という気分すらあるものですのに、その日に限って、なんだかなあという心持ちになってしまうのでございます。
落ち込みつつあるときは、自身の体調をよくよく見てみることでございます。
毎日の飲酒と仕事の過労が祟って、体力の最も少なくなっているときかもしれません。
季節の移り変わりで弱っているときや、未知のウイルスと体内の白血球が戦っていて、身体全体が弱っているときかもしれません。風邪を引いているときかもしれません。心配事が心を巣くっていて気重であるかもしれません。
そんなときには、やはり、つられて悪い方に、よくない方に考えがちなのでございます。
そうすると、ますます悪い方に考えてしまい、これまた、余計に立て直すのに手間がかかるわけでございます。
我が身を見て、こいつぁ悪い方に考えちゃダメだなと気付いたときは、さっさとやめて布団に入るのが1番でございます。体力の回復とともに気力の方もしっかりして参ります。
それかきっぱり、悪くなりそうなことを考えないことでございます。どうしても考えてしまうなら、お勉強はいったん中止して、その考え事とがっぷり四つに相対すべきでございます。
戦力の逐次投入は兵家のもっとも忌むべきことでございます。
弱っているときに、弱りそうなことをしない、考えないだけでも、事態は好転していくかと存じます。
天国と地獄は胸先三寸で決まると、古人は申しております。
自分から
2009年10月30日 9:16 PM
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