| カテゴリー: 過去のススメ |
お勉強といいますのは、一本調子では行かないものでございます。
よほどカンタンな試験か、前提となる知識や経験を豊富に持っていないと、すらすらっと進まないものでございます。
大半の方は、お勉強中に、調子が悪いとか、理解が及ばない・足りない、憶えられない、進みが遅いなどなどの障害に遭遇しているものでございます。
これらの現象は、一見だけすれば、よくはないことでございます。
しかしながらお勉強の状態は、「よくない」のが普通であることを、ご理解いただければ存じます。
まずは、この点をしっかり意識しておくことが、現状打破の第一歩であるかと存じます。
お勉強の大半は、よくはないのでございます。
ほとんどの人がよくない状態のなかで足掻いているものでございます。
わたくしのこれまでの人生の中で、圧倒的に余裕だったことは、ほんの数回くらいしか耳目したことがありません。
比較を絶して余裕だった人を見たのは、自動車学校で見かけたある人位でございます。
その人は元プロドライバーでしたが、飲酒運転か何かで免許取り消しをくらってしまい、仕方がないから再び自動車学校に行って授業を受けていた、何ともマヌーな人でございます。
元プロのドライバーですから、実技も路上も余裕の上に余裕でございます。
他の生徒がぎこちなく、それこそ緊張の趣で運転しているのに対し、件の彼は鼻くそをこねるくらいの余裕ぶりを発揮しながら運転していたのでございます。
あれほど余裕と言う二文字を体現した人を見たのは、それっきりでございます。
皆様方におきましては、本当に余裕綽々の人など、極稀にしかいないとお考えくださればと存じます。
お勉強と言いますのは、頭の中の作業でありまして、外からは窺い知れないものでございます。
凄く成績の良い人が、頭の中では本当に苦しみ悩んで不安に苛まれながらお勉強しているのは良くあることでございます。
逆に言えば、心中に大きな不安を抱えているからこそ、お勉強・復習・演習をするといってもよかろうと存じます。
もちろんのこと、「よくない」状態ではなく、良い状態のほうがいいに決まっています。
理解が及んでいる方がいいのは当然ですし、すらすらっと覚えられた方が低ストレスです。
各種問題も、さっさと終わらせる方がいいことでございます。
とはいえ、先ほどもいいましたように、お勉強の全てでこうした状態になるのは、なかなかに時間がかかりますし、ある程度の努力を投下しなければ到れないものでございます。
お勉強の大半は、よくはない状態が続くのでございます。
しかしながら、よくはない状態の全てが悪いというわけではないのでございます。
できない・わからない・忘れているといった状態を、あってはならないものだという風には考えてはならないのでございます。
よくはない状態は、お勉強で言えば当然に遭遇する現象、現われる事態でございます。
言うなれば、歩いたり走ったりすれば息が荒くなったり、汗がじとったりするのと同じくらい、当たり前のことなのでございます。
そうであるのに、無闇に落ち込んだり、やってきたことが徒労に終わったと意気消沈したりするのは、愚かであると存じます。
よくないのが普通の状態であり、それをどう「まあまあ」の状態に持って行くか、そして、本試験のその日に1番良い状態に持っていけるかが、お勉強の眼目であるかと存じます。
よくない状態に一憂することなく、焦りもしなければ過度に背伸びをせず、淡々と目の前のことにお臨みくださればと存じます。
よくはないのが
2009年9月25日 10:28 AM
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