「第2の鬼十則」とは、不況期に取引先の売掛金未回収事件に遭遇した吉田秀雄が、マネジメントについてまとめた、幹部・幹部候補生に配った「10の指針」。6~10をこのページでは紹介します。
「第2の鬼十則」の残り、6~10です。
第6に、相手を納得させる説得能力を持たねばならない。
広告そのものは説得の手段である。あらゆる方法を用いて相手方を納得させる手段である。たとえば、社内においても自分の部下なり、あるいは自分の上長なりを説き伏せるだけの、納得させるだけの能力を持たないものは、社会大衆を説得する手段である広告の仕事に携わる資格はない。
第7に、計画能力を持たなけねばならない。
お互いの仕事はいろいろの性格、いろいろの能力、常に変動するもろもろの感情を身に付けた人間だけがやる仕事であるが故に、そのお互いの活動をひとつの目的に向かって集中するために、常に正確な計画を持って自分自身をその計画の枠にはめていかなければならない。そうすることによって全社員の活動にムダがなく、同一目的に向かって総力を結集することができる。従って、電通の幹部は、計画に沿って活動する能力を持たなければならない。
第8に、組織能力をもたなければならない。
これは第7に関連して人間だけがやる仕事であるが故に、その人間が働きのいいような、その能力を十分に発揮できる組織を作っていく組織能力を持ち、自分の部下の能力、才能、人柄等を常に検討して、その才能なり、技術を組織していく能力を持たなければならない。
第9に、論理的な頭脳を持たなければならない。
常に対人折衝をその仕事の8割とする業態であるだけに、その頭脳はあくまで論理的でなくては、少なくとも今後の広告界において幅の広い活動をすることはできない。
第10に、統括能力を持たねばならない。
人間だけが仕事の全てであるわれわれの業務に当たっては特に統率能力、人を、部下を統率していく能力、もろもろの才能、もろもろの性格の人達を統括していく能力がなかったならならば、電通の幹部たる資格はない。
(参考文献:われ広告の鬼とならん)
※ なお、カッコ内の言葉は、わたしが要約的に書いたもので、本文にはありません。
職種や業種によって、「人」の「度合い」は変わるでしょうが、大筋ではどんな商売でも、必要になることだと思います。
かつての「人」に“そうだった”ことは、「今」でもそうであるし、そして、「これから」も、そのようにあるのでしょう。
過不足ないこれら「十則」は、今でも十分な内容を有しているし、これからも有し続けるでしょう。
まだまだ「鬼」が足りてないんですよ。
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