通関士-通関実務・申告書問題

通関士試験の通関実務の申告書作成についてのポイントの紹介です。申告書問題は資料の読解が最大の問題となってきます。落ち着いて資料が読めるように、たくさんの問題演習をしておきましょう。

申告書作成も試験のヤマ

※ 平成18年度より出題形式と配点が大きく変わっています。過年度のデータですので、ご注意ください。

※ 最新情報は「通関士の独学」や「通関士 教材レビュー」、「通関士ポータル」をご利用ください。

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申告書は、関税法がある程度進んでから、やり始めると効果的です。

関税法の輸入通関・輸出通関と相性がいいので、早いうちに取り掛かると効率的に学習できます。

とはいえ、申告書の作成は、基本的に独立した科目なので、関税法の学習が十分でなくても学習できます。

申告書を少しでもやれば、関税法の輸入・輸出申告が具体的に学習できるので、平行してベンキョを進めてもいいですね。

オイラは平行組みでした。紙の上だけの知識である諸制度が、申告書という具体的なアウトプットを伴うことで、ラクに理解できました。

できるだけはやく申告書には取り掛かろう!!と主張します。
早めにやればやるほど、ラクチンになっていきますわ。

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はじめに

申告書は、1回目の受験で不合格になった原因のひとつです。

簿記を持っていたので、まあ、計算問題はなんとかなるだろうと思って受験に望んだ結果が、不合格。

あらら、でした。

自分の解答をメモ書きしていなかったので、どこを間違ったのかはわかりませんが、、、

どうも、申告書問題にも穴があったなと。。。

思うようになりました。

模範解答を眺めてみても、うーーん、自分はこんな風に解いたっけ?と思い至ることが多く、申告書問題でも落ちてるな、と結論付けました。

関税法・関税定率法の記述式での、致命的な凡ミス以外に、申告書でも致命的な凡ミスがあったのでした。

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敗因を分析せよ

不合格の原因を分析しましたが、振り返ってみると「演習不足」ではないか?というわけです。

思い出してみると。。。

申告書問題は、いろいろと右往左往していたのです。

テキストの記述が少なかった。
過去問の問題の解説が少なかった。
「なんでそうなるのか?」への説明がなかった。

理解不足、情報不足、練習不足の状態なのに、『まー簿記もあるし、いいかぁ』と受験したのが1回目の通関士試験でした。

それが、あとあとまで引いてしまいました。

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簡単そうでできない申告書

独学でもっとも困るのが、情報不足です。

ベンキョの過程で生み出されていく、細かい疑問をどうクリアしていくか?が独学の醍醐味の反面ですが、いったんボタンをかけ間違えると問題の深刻度がアレでアレになります。

1回目の自分の経験をよくよく考えてみました。すると、、、

LECのテキストは、通り一遍の説明しかなく、過去問の解説も細かな解説が無く苦労した。

LECの申告書対策問題を購入してみましたが、これまた、目くそ鼻くそ状態で使いようがなかった。

簿記があるので、なんとかなるだろうと甘く見ていた。

などなどの反省点を得ました。申告書問題は、ふつうのときにやれば簡単なんですが、試験という特殊な状況になると「できなく」なるものだ、という教訓を得たのです。

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良問・良解説が少ない現状

ぶっちゃけていうと、申告書作成については、過去問の問題演習が一番の訓練になります。

1回目は、過去問の演習量が少なかったです。当時はLECの申告書問題集と過去問をやりました。

2回目は、過去問だけに演習を絞りました。

今、考えると、1回目の受験は、演習は過去問だけでよかったのに、LECの申告書対策問題をやったことが悔やまれます。

アレコレやったのがミスであったと。

ぶっちゃけいうと、LECの申告書対策問題は、問題が良くありません。LECの申告書対策問題は買う必要はないでしょう。

LECの申告書問題集と過去問の問題の質を比べてみると、

明らかに過去問の方がレベルが高く、出題にも面白い工夫があって、良い問題だと思います。

申告書対策は、「灯台もと暗し」ということわざの通り、過去問を繰り返すのがベストです。

クレアールアカデミーの模試問題集もやってみましたが、問題のレベルは過去問には及んでいませんでした。

LECの申告書問題集は、2回目の受験の時には見もしなかったので、申告書が苦手だ!という人にも必要はないです。

解説もはっきり言えば、中途半端です。

事実上、LECの申告書問題集は合格の実力涵養には使えません。これをするくらいなら、過去問の申告書問題をやる方が実力がつきます。

(LECの問題のタイプは、ひたすら膨大な資料の中から該当する番号を探し出す形式の物が多く、1万人が受験する試験で、申告書問題の資料を14Pも付けたら、受験技術上どれくらい手間がかかると思って作成者は作っているのか疑問に思います。まず、そんな大量の資料を読ます試験は、今後、予算が増えない限り実現しないでしょう。周辺の人間にLECの申告書問題集を使ったらいいかどうか質問されたら、要らないと断言できます。)

問題自体、過去問の方が面白いです、ホント。

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申告書の過去問は、合計100回やろう

申告書問題を「確実」にクリアするには、過去問を100回やります。
他に何も入りません。現状では、一番、良い問題が出せているのは本試験の過去問です。

過去問を何度も繰り返すことが、一番、質の良い問題演習です。

酒税だろうが、減税だろうが、100回繰り返すうちに、必ず「すらすら解けるように」なります。

1回目の受験の時は、申告書問題の解答に、時間がかかったり、手間取ったりしました。

焦ったりもしました。失点も多かったでしょう。

LECのセレクト本試験問題集には、7年分の過去問があり、計14題の掲載がありました。

1回目では、実質、3回しか繰り返していませんでせいた。つまり、42回しかしていないことになります。

「演習不足だった」と今、振りかえれば思います。

2回目は愚直に過去問の申告書問題を繰り返すことしかしていません。

さすがに100回はできなかったのですが、1回目の回数を加えたら、優に100回は超える量の練習はしました。

凡ミス・計算ミス、資料の読み取りミスだけは、絶対になくすようにして失点に備えなければなりません。

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実質的且つ、効果的な申告書対策

1:試験を受ける時間に注意

申告書問題は、最後の時間になります。

これまでの試験形式の記述式、択一式とはガラッと変わります。
しかも、昼休みのあとなので「強烈な眠気の中で」試験になるんです。

昼ご飯はあまり多めに食べないw

昼休みに昼寝をしないことw

なぜか、通関士試験は昼休みが1時間30分もあります。気を抜かないようにしましょう。ホンマ、油断していると気が抜けますわw

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2:受験とは特殊な時間

申告書を作成するときは、特殊な時間に作成していることを忘れないで下さい。

これはアレなのですが、通関士試験を受けた後の帰りの電車の乗客の会話です。

『whole ってどういう状態での魚なの?』

あーーやっぱしw

参考資料→問題資料17年度

「tuna fillets」とかあったもんで、調理・加工の仕方と勘違いしたのです。

wholeというのは全部という意味で、SKIPJACK WHOLEとは一匹丸ごとのスキップジャック、という意味ですよね。

中学校レベルの問題ですよね。

普通なら誰でもわかるんですよ。

でも、わたしも試験時間中は、whole という状態の魚が在るのだと思って、資料とにらめっこしていたのです。

ほんで、、、10分くらいたって、『ん????丸ごとという意味じゃん』と、資料の読解に至ったわけです。

こういう、凡ミスというか、うっかりミスというか、勘違いというか、やろうとしてできないミスが発生するのです。

『日本語の資料がうまく読めない』

このような失敗が起きやすいのが、申告書作成だといえます。自分一人だけでなく、多くの人が、資料読解でトンチンカンなミスを犯していると念頭に置いておきましょう。

こういう、資料の読み取りミス・取り替えミスが多発するのです。

最近の申告書の傾向は、このように資料の正確な読み取りさえできれば、合格点が取れる試験になってきています。

「正確」にというのが、ホント、簡単なようで難しいのです。

普通の精神状態なら解けるんですよね、ホント。

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3:申告書が難しい理由−疑心暗鬼

疑心暗鬼とは、「これでえーんかな?」「これかな?」「いや、ちゃうかな?」と心の中でどんどん、「確実なもの」がなくなっていき、「不確実な、え?え?え?」ばかりが増えていっている状態です。

いったん、この疑心暗鬼に陥ると、試験結果は神のみぞ知る、になっていきます。

そのため、この疑心暗鬼に陥らないように「確実にできるもの」だけでも体に慣れさせてしまう必要があるのです。

たとえば、わたしの例で言えば、1回目の受験の時に、計算の仕方に疑心暗鬼になったのです。

「あれ、どうやって切り捨てをしていたっけ?」
「あれ、この場合には×を付けてたっけ?」

などなどです。

このような、計算法式・記入方法については問題演習で100%、改善できる事柄なのです。

試験中に、計算法式・記入方法についてアレアレと思ってしまうと、もっとも大切な資料の正確な読み取りが、混沌としてしまうのです。

このアレアレ対策には良問を何度も解いて、カラダに叩き込んでおくのが一番です。

受ける時の試験の時間帯や、がらりと変わる試験の質のため、ちょっとしたミス・勘違いが発生します。

ちょっとしたミス・勘違いが、1年分の苦労を台無しにしてしまうのです。
先ほどの、乗客の人のように「一匹丸ごと冷凍魚」を「wholeという加工をした冷凍魚」と取り違えるハメに陥るのです。

過去問を100回やることで、性根を据えておきましょう。
意外に100回はすぐにできます。

おんなじ問題ですからwww

2回目の受験時には、50問以上、同じ過去問を繰り返しました。
やっていくうちに、時間はどんどん短縮されていきます。
1日に3題位は楽勝でやれるようになってきます。

しかし、凡ミス・ケアレスミスの多さは直らないものだと思いました。

どこかで間違っているのです。こういう、ミスがなくなるまで、演習を繰り返しておくのが確実な合格へのステップです。

申告書の問題で落ちたくなければ、100回しておきましょう。

わたしは2年かけて合計100回近く、問題演習をする事になりました。

100回もやれば、本試験ではじっくり落ち着いて解答できます。2回目の受験のときは、1回目とは受ける時の感触が大きく違っており、合格に直結できたと思います。

100回もしておくと、いやでも落ち着いて解けるようになります。
騙されたと思って、100回演習をしておきましょう。

やればわかるのですが、なかなかパーフェクトに解答するのは難しいのです。

何題もやっていると、細かな個所の記入を忘れていたり、記入方法を間違っていたりと、微妙なミスが出現していることがわかってきます。

こういうものほど、合否を左右するものです。

軍事訓練並みに、申告書の作成における定型処理をマスターしていて下さい。

本試験の時には、意識を資料の読解に投入してゆめ、定型処理部分で迷わないようにしましょう。

申告書作成問題のまとめ

ま、申告書作成も過去問を繰り返すということで落ち着きそうです。

回数は100回。100問すれば、申告書問題には自信がつきます。申告書は疑心暗鬼が発生しやすい試験科目です。

もし、不安があるのなら「絶対」になくしておきましょう。小さな不安(物品の書き方の順番などなど細かいものでも)があれば、疑心暗鬼にかかったときに増幅され大きな不安になります。

そうなると負けです。

苦しい記述式の丸暗記、凶悪な関税率表対策・・・全てが水泡に帰してしまいます。

100問やればイヤでもできるようになります。

ゆめ、不安を抱えたままで試験に臨まないようにしてください。

−−−おまけ−−−

100回の過去問演習は、問題用紙を大量に消費します。いちいち、自分で作るのもめんどくさいので、ダウンロードしちゃいましょう。

演習用紙は「輸出管理のページ」さんのところでダウンロードできます。

また、「輸出管理のページ」さんのサイトは、申告書問題対策に優れたコンテンツを持っているサイトです。隠れた名サイトです。

ぶっちゃけいうと、市販されているテキストを超えた解説量と解説の質の高さです。

申告書作成については、細かい所まで解説されているので、だいたいの疑問はココで解決できます。「あーー、たよんないテキストだがや」と思ったら、ぜひ、訪問して調べてみてください。さすがに実務経験者の言は違います。

>申告書対策のページは「絶対間違えないシリーズ」です。

もし、お使いのテキストの申告書作成手順の解説が筆足らずであれば、ぜひ、上記のサイトを参考にして下さい。

特に未経験のド素人さんには凄く助けになりますよ。

細かいところまで突っ込んでいてくれるので、大変便利です。わたしも利用させていただきました。

ま、最終的には、独学で申告書をクリアするには、このページで紹介したように、申告書の100問演習+輸出管理のページの解説で、合理的かつ確実に合格圏内にいけます。

ケアレスミスをしないようにがんばってください。

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