はじめに 以下については、英語という外国語を学んでいく上で示唆に富んだ書籍を紹介していきます。個人的に,子音の発音や、ヒアリングに非常に役に立っています。(現在進行形) ・1冊目 「古代への情熱」 H・シュリーマン 小学館 1400円 いきなり何で古代史やねん?!と突っ込まれそうですが、語学を学んでいく上での大きなヒントになったので、是非とも紹介したいのですよ。 ちなみに「古代への情熱」はトロイの木馬の発掘にいたる情熱的な1人の人間のドラマなのですが、そのくだりで語学学習について触れられています。 以下その抜粋を。 「。。。そんなわけで一生懸命、英語を学んだ。その際の困窮が発見を生んだといってもいいような外国語習得法に気がついた。ごく簡単な方法であって、大きな声を出して原文を読む。訳をしない。毎日きっと1時間はあてる。 その言葉で自分に関心のあることを書いてみて、先生に直してもらう。直してもらったものを暗誦する。次の日に前日直されたところを声に出していってみる。。。」 この文章以後には、いろいろな工夫が紹介されています。たとえば、正確な発音を身に付けるために教会のミサに通ったり、郵便局の待ち時間であっても必ず本を読んで暗誦し、復唱するといった努力を払っています。(シュリーマンは夜のほうが記憶力が冴えるとも述べています。) さて、もう一度、よく読んでみましょう。 大きな声を出して原文を読む。訳をしない。毎日きっと1時間はあてる。 その言葉で自分に関心のあることを書いてみて、先生に直してもらう。 直してもらったものを暗誦する。次の日に前日直されたところを声に出していってみる。 すばらしい!!! これって・・・読んで、書いて、復習するという「完璧に近い勉強プロセス」になっていませんか? ハタと膝を打ちました。読めば読むほど、うまいプロセスだと思います。 まず、読むとは黙読ではなく音読です。いくつかの英語書籍に当たればわかるのですか、英語は「リズム」であるとの記述に触れることがあるでしょう。 そう、単語の1語1語、訳して理解していくというよりは、「リズム」で多くの人は言葉の意味を捉えているのです。だから、「訳をしない」とあるのでしょう。 「書く」というのも、ハタと膝を打ちました。インプットされたものをアウトプットしている過程なのです。しかも、「自分の関心に基づいて」とあるので自由作文です。そして、添削を受けます。 この作文−添削作業で、ことばの用語というか用法というか、表現にあたっての単語の選択の訓練になっているのですね。そして、復習&暗誦。 シュリーマンは困窮のなかで、半年で英語をマスターしたといっていますが、マスターしてもおかしくないと思います。完璧な勉強法かもしれない。 当サイトは資格の勉強サイトなのですが、このシュリーマンのやり方は資格の勉強においても、非常に有効だと思います。 まず、テキストを音読してみる。 毎日きっと1時間はあてる。 ほいで、問題演習。間違ったところを自分で添削するように、分析。 ほいで、その間違えた箇所の分析ごと覚える。もちろん、声に出して。 なんとも効率のよい勉強の仕方ではありませんか?!明らかに、勉強した事をスパイラル的にモノにしている過程がそこにあると思いませんか? これは絶対に他の資格試験にも応用ができる、素晴しい方法だと断言します。
どのようにシュリーマンを応用しよう? 読むというのは「発音」の問題にも絡んでくるので、ぶっちゃけ、専門の訓練をするしかないでしょう。独学ではどーにもならんです。 たくさんの音源に触れば、それらしい発音になるので何とか解消もできるのでしょうが、「 r 」や「 l 」の違いなどは難しいでしょう。ま、できないものはほうっておきましょう。必要のある人がやればいいのですから。 ま、とりあえず声に出して読んどきましょう。 その点、書く環境は大きく改善されています。これまでわれわれの英語環境になかったものは、「リアルタイムな反応」でした。よくよく、考えてみれば、これ、インターネットが最も得意な箇所ではないでしょうか? ぶっちゃけいえば、英語でのBBS等を積極的に利用すれば、良い書く訓練になります。 個人的なことでアレですが、最初は、「Yahoo!」の「Groups」で同行の士を探し出して、そういったコミュニティに滑り込んだりしました。ほいで、掲示板(つーか意見交換な場所)にぶちあたり、そこで書きこんだりして英語を学んでいるわけです。 この勉強法の欠点は、かなりブロークンな英語になってしまうことです。現実世界で2ちゃん用語を多用する人がイタイのと同様に、おそらく外国でもネット用語はイタイと思われます。 ですが、従来に比べたら生きた英語に触れられるのではないでしょうか? あーこの単語はこんな風に使うのね、と思うことが多々あるでしょう。単語帳暗記よりスムーズに語彙が復活していく感じです。 しかも、こういったコミュニケーションを前提としたやり取りは、続けれるんですよね〜。面白いから。 (お前、外人?!みたいなニュアンスでとっちめられることも多々です^^) おいらはこういった感じで応用しています。基本的にインターネット代しかかかりませんし、結構らくちんですよ。 ぶっちゃけ、英会話が学びたいなら英語のオンラインゲームでもしたほうが、安価で楽しく進めていけるのでは、と考えてます。 ・2冊目 「中年英語組」 岸本周平 集英社新書 680円 この「中年英語組」の筆者、岸本周平さんの履歴を簡単に紹介しましょう。 東京大学法学部卒。大蔵省入省。主計局、主税局を経てプリンストン大学へ交換留学。ひょんなことで客員講師として教鞭をとる。(すべて英語で^^) 大蔵省の主計局、主税局の配属されるのは、エリート中のエリートといえる履歴です。日本の中で超アタマがいい部類に入るでしょう。 基本的にこれまで、「アタマ」いい人は、すぐに英語なんてしゃべれるものとばかり思っていましたが、なんともまあ、苦労の連続というか、なんというか、苦難の連続が本書「中年英語組」にせつせつと綴られています。 日本人は「簡単に英語をマスターできない」ということを認識する上で、非常にためになりました。そこかしこにある「日常会話」ができないことがどれほど生活に支障をもたらすか、また、それらへの奮闘振りが面白く読めました。 逆に、通じなくてもこのように対処すればいいのね、みたいな「テクニック」がふんだんに掲載されています。 対岸の火事だからこそ面白い!!! ・3冊目 「ヨーロッパ退屈日記」 伊丹十三 文集文庫 400円 あの映画監督の伊丹さんのヨーロッパ滞在のエッセイです。そのなかで、英語の発音について触れられています。 よくよく考えてみれば、おいらはこれまで誰かに通じさせるための英語の発音やしゃべり方を真剣に考えたことがなかったのです。 本書では、母音と子音の区別の練習問題モドキがあり、伊丹さんの解説に従いながら何度もやっておけば、不思議なことに、ラジオでの会話がすこぅし聞き取れるようになってきました。 なぜ、発音の練習がヒアリングに繋がったのかわかりませんが。やってみれば、すこぅしだけ英語っぽい口調になるはずです。 ま、夜中にはやらないほうが吉。また、本書はエッセイ的にもおもしろいです。日本の文化人やなぁという感を受けるでしょう。 ・4冊目 「超」英語法 野口 悠紀雄 (著) 1600円くらい 何を隠そう、実は上記紹介のシュリーマンから伊丹十三さんまでの書籍は、この「超」英語法の参考文献からたどり着いたのです。 この「超」英語法は、実際的な英語の能力、とくにヒアリングについて非常に示唆にとんだ内容です。英語で使われる発音・発声をまとめているのですが、そのまとめかたが非常に実際的なのです。 その威力を知ったのは、ラジオでした。 ラジオでは「アイムゴナ」よく聞きます。一度耳を澄まして聞いてください。ほんま、よーきくで、こいつら。 これは「 i am going to 」を示してるのですが、絶対にそんなふうに読めません。ですが、文字上では読めませんが、もうこれは事実上、現地でそう発せられているから仕方ないんですよね。 「i am going to」は「アイムゴナ」で覚えるしかないのです。 「アイワナ」。。。これも同じように「 i want to 」の実際の使われ方です。 だから、英語は「発音の仕方」ではなく「音声上の使われ方」を覚えない限り、ヒアリングというのは向上しないことがわかったのです。 「超」英語法では、子音の変化(全く発音されなかったり、言い方が変わるもの等)する単語をたくさん掲載していますが、それを見ると、「あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜」と頷くことしきりでしょう。 internet おなじみのインターネットですが、これまでわたし、この「インターネット」が言いにくくて仕方ありませんでした。いんたぁねっと・・・うーむ。 で、よくよくこの「超」英語法の子音の変化を見て、疑問が氷解したのです。 international ←これはインターナショナルですが、「 t 」はときにサイレントになる、という記述に触れました。そのため「いんたーなしょなる」は「インナナショノ」となってしまうとのこと。最後の「 l 」もサイレントになるとのことなので。 さて、先ほどの「 internet 」ですが、多分「インナーネ」と発音されてるのではないかと思ったのですよ。ラジオを聞いて「インナーネ」とよく聞いたので、このことじゃないかなぁと。 言い易くないですか?「インナーネ」って。間違ってたらメールください^^; ま、こんな風に「音声」において、子音が変化する、つうことを知っただけでも大きな前進だったのですよ。 この本を読んで、おいらの受験生のときの発音の問題がいかに、見当はずれで使えないものであったか、しみじみわかった気がします。 あのね、英語って音声上ではむちゃくちゃ変化しています。そら、聞き取れんはずだわと思いますよ。 逆に、適切な訓練なく、聞き取れるほうがおかしい、と。 (アクセントの問題は今でも役に立っていますが、あの発音問題?はどうかと。。。) 「超」英語法を読んだ後、ラジオが急に聞こえるようになったのはオイラの勘違いでしょうか?気のせいかもしれませんが、明らかに聞き取れる量が増えています。 よくよく考えてみれば、『音声の上では、こんな風に変化する』という、指針なり、授業なり、解説なりに触れたことがありませんでした。ホント不思議なことに、これまで「アイワナ」は「 i want to 」である、との記述に触れたことがないのです。 学校教育(おいらの時代です)でもそうですし、英検2級のときもなかった気がします。今となっては・・・きちんといってくれよ、という気がしてならんです。 この子音の変化による「音声上」の英語は知らないとできません。日本で言う「ばってりー」があっちでは「バレリ」になるとは夢にも思わないでしょ。でも、それが現実なのよねぇ〜。 折に触れてこの子音変化の章にあたり、ラジオ等の音源に耳を済ませていれば、これまでになく自分の聞き取り能力が向上していることが実感できるのではないでしょうか? 特に、これまで、英語に挫折してきた人にはお勧めです。 必要なのは「インナーネ」ラジオと1600円くらいですから、試してみる価値ありです。オイラはこれらではじめて、英語が聞き取れるための道程が見えました。 単に聞くだけではなく、適切な解説書を加えることで、はるかに聞こえるようになると思います。 またまた、「実は」なのですが、この『「超」英語法』、HNまめさんからのメールで教えてもらいました。非常に良書でした。ありがとうございます。 →なにか良い英語の書籍があれば是非、紹介してくださいね。
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