1級陸上特殊無線技士(1陸特)の独学

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 1級陸上特殊無線技士(1陸特)の独学方法を、最小限度にまとめています。。主に、文系ド素人向けの内容で、使用教材を始め、試験の合格率や難易度、合格基準点と採点方式(足切り点)、試験科目別の傾向と対策、勉強量と勉強時間など、受験生が知っておくべきことを、まとめています。

1級陸上特殊無線技士(1陸特)の独学事情

 結論から言うと、1級陸上特殊無線技士(1陸特)は、きちんと勉強すれば、文系ド素人でも、独学合格できる、といった次第です。

 文系ド素人でも受かるのなら、無線に素養のある人や理系キャリアの方なら、まず、合格できる、っといった寸法です。

 主たる試験科目が、馴染みの薄い「無線工学」のために、苦しい試験勉強となる人が多数かと思われます。

 とはいえ、後述するように、本試験は、定番の問題が多く、そして、知識問題が割合が高いので、『合格だけは可能』となっています。

 以下、1陸特の独学について、適当かつ曖昧に、述べていきます。

 なお、文系ド素人の方は、「計算問題を捨てては絶対にいけない」と「計算問題の“挫折しない”勉強方法」というページの存在を、頭の片隅に置いていてください。

 本ページの一番最後で述べていますが、文系ド素人の安易な受験を勧めません。「脂汗→脳汁→白目」を覚悟する人だけが、1級を受けましょう。

 わたしは幸いにも1回で受かりましたが、もし落ちたら、再受験することはなかったでしょう。そのくらい、“計算問題”が難儀でした。もう2度と見たくないです。

独学向け教材について

 文系ド素人向けの独学教材については、「教材レビュー」で詳細に述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストは、試験特化の「一発合格! 第一級陸上特殊無線技士試験 テキスト&問題集」を…、

 過去問は通年型の「第一級陸上特殊無線技士試験 吉村先生の過去問解答・解説集」を使えばよいでしょう。

ひとくち1陸特-合格率と傾向

 1級陸上特殊無線技士(1陸特)の合格率は、おおむね「20~30%」です。

 試験科目は「無線工学」と「法規」で、本試験では、「無線工学」は「24問」が、「法規」は「12問」が出題されます。

 んで、「無線工学」は、例年「5~7問」が計算問題で、残る「17~19問」が、“知っていれば得点できる”知識問題です。

 そして、「法規」は、すべて“知識問題です。

 文系ド素人でも、独学合格は可能なのは、「憶えさえしたら、何とか点数できる」知識問題の比重が大きいからです。

 逆を言うと、最初は“全く知らない”ため、全然問題が解けなくても、テキストや過去問を消化して知識が定着するにつれてグングン点数が伸び、合格ラインをうかがえる実力が付く、ってな次第です。

 ちなみにわたしは、そのわけのわからなさに一時挫折がありましたが、最終的には、「20問正解」「11問正解」で合格しました。

 参考:1級陸上特殊無線技士の合格体験記

 なお、「わたし」とは、ガチ文系の法学部卒で、「4級アマチュア無線技士」くらいの素養しかない「人」です。

 さて、文系の人に釘を刺しておきますが、知識問題だけで合格するのは、かなりシビアです。

 知識問題だけで合格点を取ろうとすると、ほぼ、運否天賦になってしまうので、計算問題の特訓は必須です。(詳細後述。)

 先述したように、無線に素養のある人や、理系キャリアの方なら、合格の「かなめ」である計算問題の負担が格段に軽いので、勉強すれば間違いなく受かります。

勉強量

 「テキスト2~3回、過去問2~3回」で「合格」です。

 なお、文系ド素人の方は、計算問題を3回以上は繰り返して、身体に叩き込んでおくのが望ましいです。

 本試験では、予想以上に解けません。

はやわかり1陸特‐難易度と特色

 1陸特を一口で言うと、「試験問題の手強さは、中学・高校の社会科レベルでしかないが、「無線工学」という内容が内容だけに、苦戦をする」ってな塩梅です。

 言い換えると、「馴染みの薄い内容が、カンタンに問われている」といった寸法です。

 本試験では、例年通りの定番問題が繰り返し問われており、テキストを読み込み、過去問演習を何回も解いて内容を押さえておけば、合格ラインに近づけます。

 しかし、「無線工学」に縁のなかった人は、得てして、試験勉強は「???…???…???…」の連続であり、内容を押さえるのに、ひどく苦しい思いをします。

 当該「苦しさ」こそ、1陸特の最大の特徴であるかと考えます。

 その他の特徴は、以下のとおりです。

競争試験じゃない

 1級陸上特殊無線技士は、競争試験ではなく、「合格基準点」さえ確保できれば合格なので、受験生の負担は軽目です。

 試験勉強の眼目は、後述する「合格基準点」を確実に取ることであり、高得点を狙う勉強は全く無用です。

試験科目ごとに足切り

 1陸特は、試験科目ごとに、合格基準点(足切り点)が設けられているのを、絶対に見落としてはいけません。

 つまり、法規で点数を大きく稼ぐ的なことができない、という塩梅です。

 総得点で受かるのではなく、両科目それぞれで判定されるので、ご注意ください。

 試験勉強の開始直後、やるべきことは、「合格基準点の15問正解と8問正解」を、頭に入れることです。

無線工学の合格基準点-15問

 「無線工学」は全部で「24問」。

 うち計算問題が「5~7問」で、知識問題が「17~19問」出題されます。

 配点は1問あたり5点。満点だと「120点」となる計算です。

 合格基準は「75点」なので、「15問」を取る必要があります。

 ところで、定番問題の多い1陸特ですが、凝った出題・穿った出題・未知な問題が、毎回1~2問ほど、姿を現わします。

 当該1~2問の分だけ、差っぴいて考える必要があります。

 要は、「自力で取れるのは、22~23問」という塩梅です。

 なお、当該難問・奇問系は、再び問われることは稀なので、「捨てる」のが賢明です。

法規の合格基準点-8問

 「法規」は全部で12問。その全てが知識問題です。

 配点は、同じく1問あたり5点。満点だと「60点」となります。

 合格基準は「40点」なので、「8問」を正解しなくてはなりません。

 なお、12問中、1問ほど難問・奇問が出題されるので、「自力で取れるのは、11問」となります。

 当該難問・奇問ですが、他の問題で、“圧倒的に”点を確保できるので、心配は無用です。捨てればいいでしょう。

勉強方法

 前述したように、1陸特の試験問題の多くは知識問題で、また、過去問から繰り返し出題される問題が多いので、過去問演習が試験勉強の中心となります。

 文理ともども、テキストに拘泥することなく、早め早めに過去問に手をつけるのが、独学合格のコツです。

 先も述べたように、テキストを3回は読んで付属の問題を解き、過去問演習を2~3回しておけば、合格圏です。

無線工学の勉強方法

 試験勉強そのものは、オーソドックスなやり方に終始します。

 テキストを読んで付属の問題を解き、頻出事項を正確に憶えていく、という普通の進め方で、穏当に合格できます。

 なお、5~7問程度出題される計算問題ですが、全部が全部、複雑なものではありません。

 公式や数式が頭に入っていれば、また、ログ計算さえできれば、大概のものは解けますし、また、公式・数式の“知識問題”すらあります。

 たとえば、「共振回路の尖鋭度Qの公式は、次のうちどれか?」ってな問題が出る次第で、そうそう計算ばかりをするわけではありません。

 まあ、理系キャリアの方なら、テキストを一読したくらいで解けるだろう基礎・基本レベルなので、ばしばし、過去問を消化していってください。

 なお、計算問題が“大問題”となるのは、文系ド素人の方です。

 文系向けの勉強方法は、少々長くなったので、別ページにまとめています。

 文系ド素人の方、または、理系だが自信のない方は、「計算問題を捨てては絶対にいけない」と「計算問題の“挫折しない”勉強方法」をば、ご参考ください。

 最後に、1陸特は、過去問からの使い回しが多いので、過去問で問われた問題だけは、一通り、できるようになっておきます。

 運が良ければ、再度、同じような問題に遭遇して、貴重な1点を手にできる公算が大です。

 当方、本試験の計算問題に、過去問の使い回しを発見し、地団駄踏んだ次第です。

勉強時間

 1陸特の勉強時間は、「2ヶ月」を見ておきます。

 受験の申込を済ませてから、おもむろにテキストを開き始めても、間に合います。

 なお、素養のある人なら、1ヶ月程度で、合格レベルに到達します。

 文系ド素人でも、腹を括ったら、1ヶ月で、合格を窺えます。

 ただ、文系ド素人の方は、無線工学の計算問題に手を焼くか、公式・数式が当たって寝込んでしまうことを想定して、長めの勉強期間を見ておくとよいでしょう。

 わたしの場合、最初「2ヶ月」を取っていましたが、「無線工学」のあまりのわからなさに、ダウンしてしまいました。で、試験1ヶ月前から発奮して、何とか合格に漕ぎ着けました。

1陸特の、びみょうな罠-平日試験

 受験上の注意ですが、1陸特の6月と10月の試験は、例年『平日』の木・金に行われます。

 当方、「試験とは日曜にあるもの」と思い込んでいたので、受験票が届いたときに目を丸くしました。

 急に休みの取れない人は、受けるに当たって、受験日の『曜日』に、倍は注意を払ってください。

 1陸特には、試験のために「休まないといけない」という、日程調整がある、ってな塩梅です。

 ちなみに、2月の試験は、例年土曜か日曜です。休めない人は、2月に受けるのがよいでしょう。

能な資格である。

 しかし、無線工学に馴染みのない人は、苦しい試験勉強となるのて、苦痛を、耐え忍ばねばならない。

 とはいえ、競争試験ではなく、また、試験問題のレベルは「一般的」なので、合否は、単純な「勉強量」で決まる。

 テキストと過去問は、それぞれ「3回」が独学合格の目安である。嫌になっても、「3回」までは忍ぶこと。

 なお、計算問題をぜんぶ捨てるのはご法度であるが、1~3問くらいを、諦めるのはよい。

 文系の人は、無線工学で心が折れることを前提に、学習計画を練る。

 あまりのわからなさに、最初は「脂汗」が出て、次いで「脳汁」が滲むが、忍ぶ。「白目」になったら諦める。

 なお、わたしは社労士等、いろいろな資格があるが、当該1陸特の試験勉強は、途中で挫折した。

 (受けるのをやめようか)とか、(久々の受験放棄か)とまで、思い到った次第である。

 わたしは、運よく1回で合格できたが、落ちたら再受験しないだろう。

 文系ド素人の、安易な受験はオススメできない。

1級陸上特殊無線技士(1陸特)のこまごましたもの

 1陸特に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「 陸上特殊無線技士の投稿記事 」をばご参考ください。

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