第三種冷凍機械責任者(冷3)・保安管理技術の勉強方法。主に、文系ド素人向けの内容。化学や機械の知識に乏しい文系ド素人は、試験と割り切ることが大事。まずは、過去問の制覇を目指す。目標3回。冷凍サイクルの理解を徹底。p-h線図は後回し。似た器具部品機械が続々登場するので、「1歩進んで1歩戻る」くらいのスピードで勉強していく。アンモニアのヒントもある。
とりあえずの目標は、「過去問を2~3回」です。
ご存知のように、冷3の試験傾向は大きく変わり、過去問の使い回しは激減しています。その分、過去問の重要性も落ちました。
しかし、とはいえ、それでも、過去問を無視することはできません。
過去に問われたことが、選択肢の一部に採用されることが多々あります。
加えて、「過去問に出たところの周辺を問う」傾向があるので、過去問を甘く見てはいけません。
そして、冷3の教材には、過去問以外の問題集がないため、どうしても過去問で問題演習数を稼ぐ必要があります。
また、「保安管理技術」の1問1問は、ウエイトが高いことも、過去問を無視できない理由です。
「保安管理技術」の出題は「15問」と、やや少なめです。
6割合格なので、「9問」正解で合格です。反対に言えば、「6問」しか落とせない、いう次第です。
過去に問われたことだけでも、確実に理解しておくことで、致命的な失点を避けることができます。
まだまだ、過去問演習は健在です。難化傾向に振り回されることなく、淡々と消化してください。
わたしもそうだったのですが、保安管理技術は、最初のうちは、ホント、さっぱりわからないことでしょう。
まず、わたしたちには、致命的な問題を抱えていることを、頭の片隅に置いてください。
それは、『冷凍機械を、見たことも触れたこともない』ということです。
実物を見ればすぐわかることでも、手元にあるのは、言葉と写真と絵だけなので、格段に理解が落ち、また、理解に時間がかかります。
そして、『冷凍の仕組みを理解するための、化学・機械の知識が大きく欠落している』ことも見逃してはいけません。
つまり、テキストや過去問で、「なんだこれ?」的な疑問を持っても、それを晴らすことができないのです。
検索してみても、前提知識のある人のものばかりなので、文系ド素人にはどうしようもなくなります。(まあ、言ってしまえば、知識も何もないド素人が手を出すんじゃねえよ、なんですが。)
本を読もうとしても、冷凍の入門書を読むために、高校の教科書に手が伸びるかというと、そこまでの手間をかけたくない、というのが多くの人の真情でしょう。
ま、こんな次第で、「保安管理技術」は、実に、全く捉えどころのない勉強になることを、まずは知っておいてください。
しかし、わからないながらも、コツコツとテキストを読んで問題を解き、「冷凍の仕組み」に“明るくなる”につれて、冷凍機械の各機能・構造も“見えてくる”ので、諦めてはいけません。
序盤が一番大変です。
進むのが遅くて焦るでしょうが、文系ド素人は、どうしてもそうなってしまいます。
焦らず、日々の勉強を消化していってください。
さて、前もって指摘しておきますが、冷3は難化傾向が続いており、今後も、受験生は頭を抱えるでしょう。
本試験では、上記画像のように、問題用紙がぐちゃぐちゃになるほど、考え込むはずです。
しかし、文系ド素人でも、「テキスト3回・過去問3回」で、合格点は確保できます。
このくらいの学習量があれば、6割取れば合格となる冷3にも、受かります。
わたしもド素人ながら、平成27年度試験の保安管理技術は「13点/15点」も取れていたので、文系や理系云々以上に、学習量が合否を決めるように思います。
冷凍機械とは、言うなれば、「冷凍サイクル」ごとの器具部品の集合、ということができます。
ですから、「冷凍サイクル」がきちんと頭に入っていないと、テキスト後半の「圧縮機」や「凝縮機」、「蒸発機」等々の機能や仕組みが全くわからないことになります。
文系ド素人にとっては、テキストの最初の方にある「冷凍サイクルの仕組み」的なページが、一番大事です。ここがダメだと、全部ダメです。
当該ページには付箋を貼って、きっちりと理解に努めましょう。まずは、ここからです。
p-h線図は、「冷凍機械」というシステムにおいては、重要な概念なのでしょうが、正直、文系の理解を超えています。
文系ド素人は、最初は、過去問にでるところ(状態変化)だけ押さえておけばよいでしょう。
ここで足を取られると、試験勉強に嫌気が差します。
ある程度進んでから、再度戻ってくるか、それかもう、過去問事項だけ押さえて捨ててしまいます。
端的に言うと、数式は、紙に書き出して暗記します。
テキストに出てくる数式、たとえば、冷凍能力(冷凍効果×冷媒循環量)とか、圧力比(吐き出しガスの絶対圧力/吸い込みガスの絶対圧力)とか、成績係数とかのもろもろの数式は、紙に書き出して、暗記します。
試験では、数式を知っているかどうかしか問われないので、暗記と記憶で凌ぎます。
とりあえず数式を憶えておけば、第2問か第3問あたりを正解できて、貴重な「1点」を確保できます。大きいです!
文系ド素人だと、「圧縮機」「凝縮機」「蒸発機」に進んだ際に、“ごっちゃ”になってきて、頭が困惑します。
というのも、「よく似た名前」が多いからです。
横型シェルアンドチューブ凝縮機が出てきたと思ったら、次は、満液式シェルアンドチューブ蒸発機が登場します。
加えて、「水冷」やら「空冷」やらも出てきて、頭の中は、混沌としてきます。
文系ド素人は、「実物を見たことがなく」「言葉の上だけ」なので、どうしても、わけがわからなくなってきます。
独学向けテキストとして紹介した「トコトンわかりやすい! 第3種冷凍機械責任者試験 完全テキスト」は、写真や絵が多用されていますが、それでも、ワケがわからなくなってきます。
そこで、文系ド素人は、「常に戻る」ことを繰り返します。
似たような名前の、似たような部品器具機械が出てきたら、そこで、ページを繰るのを止めて、「どこに同じようなものがあったか」を探します。
先に紹介したテキストには、巻末に「さくいん」があるので、調べるのに重宝します。
似たものを発見したら、当該似たもの同士の違いを明確にして、メモかノートにします。
こういった地味な作業をすることで、各機械の機能や構造が、次第に頭に入って行きます。
似たもの同士をそのままにしておくと、どんどん何が何やらわからなくなってきて、即効で嫌気が指します。人は、自分の理解できないものを、頭から排除しようとするからです。
急ぐ必要はないので、焦らず、「1歩進んで1歩戻る」の健全な足踏み精神で、消化して行きましょう。
正直、保安管理技術は、文系ド素人にとっては、厳しい試験科目です。
ワカワカランのオンパレードで、じゃあ、冷凍についての入門書等を紐解こうとしても、化学等の基礎知識が欠落しているため、これまた、わけがわからないのです。
「読書」という側面支援も受けられないのが、文系ド素人の冷3事情です。
ですから、文系ド素人は、「試験と割り切る」ことが大事です。
とりあえずは、「過去問」の制覇を目標にしてください。
1回でもやり抜けば、「どこが問われるのか」見えてくるので、そこを重点的に消化してください。
過去問に出なかったことは、とりあえず、深追いは避けます。
過去問事項が消化できたら、徐々に、あまり勉強してないところを、補っていきましょう。
先述したように、過去問を3回ほど問いて内容を消化し、テキストを3回精読していれば、合格点は確保できます。
以下、「保安管理技術」のヒントをいくつか上げておきます。
テキストでは、冷媒として、「アンモニア」と「フルオロカーボン」が挙げられています。
当該2冷媒の違いは、頻出事項なのですが、「アンモニア水」と憶えると、かなり楽ができます。
言うなれば、身近なアンモニア水は「小さい方」なのですが…、
アンモニアは水溶性→おしっこだし。
アンモニアは鉱油に溶けない→水っ気たっぷりのおしっこだし。水と油。
アンモニアは空気より軽い→おしっこ臭がするのは、アンモニアが蒸発して上昇するから。
アンモニアは油より軽い→空気より軽いのだから当たり前。
アンモニアは毒性→配偶者のそれを考えると納得。
…まあ、このように考えると、すっと頭に入って行きます。
アンモニアの特性が頭に入ったら、「フルオロカーボンはその反対」程度に押さえて行くと、楽ができるでしょう。
付属機器・自動調整機器は、当該機器が付けられている元の主要部分(圧縮機・凝縮機・膨張弁・蒸発機)がわかっていないと、理解が難しいところです。
細々としたことが多いので、最初のうちは深追いせず、こんなのがあるんだ程度に押さえておきます。
先の主要部分の理解が深まるにつれて、付属機器・自動調整機器の意味(なんでこういう機器があるのか)が、すんなりと腑に落ちるはずです。
何気に点数は取れるので、中盤から後半にかけて、シッカリ憶えます。逆を言うと、序盤はうっちゃときゃいいです。
第三種冷凍機械責任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「第三種冷凍機械責任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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