中高齢者のための独学のオキテ

中高齢者のための独学という勉強法の仕方を、記憶の観点から考えたいと思います。なにより、資格試験は記憶力が必要のため、年齢による記憶力の低下は無視できない現象です。

はじめに−オキテの源流

当サイト「独学のオキテ」は、実はあるおっさんとのやり取りから生まれました。そのおっさん、社会保険労務士を目指して勉強しているおっさんなのですが、最終学歴が高卒のため社会保険労務士の受験資格がなかったのでした。

だから、社会保険労務士の受験資格を得るために、行政書士を目指している、ダブル受験組みだったのです。

そのおっさん、年齢は60歳近くなのですが、当時でもうすでに3回ほど、行政書士に落ちたといってました。とにもかくにも、すぐに忘れてしまうのでどうにもならん、とぼやいていました。

そのおっさん、決して頭が悪いわけではないのです。仕事はバリバリにできていました。彼は現場で叩き上げられた人だったので、現場で生きるつーなオーラがでていた昔気質おっさんでしたよ。

そのため、そのおっさんには難局ばかりが回される、いわば、能力があるが故に頼りにされてしまい、忙しくなるタイプのおっさんです。

何かトラブルがあったり繁忙期であれば、そのおっさんに任せたらなんとかなるやろ、というおっさんでしたよ。

でも、仕事上の能力云々と違うものが求められるのが、「資格試験」という密室の現場の論理なのです。

コレはアレなのですが、そのおっさん、一等地に住んでいるのですが、土地が値上がりしてしまい固定資産税の支払いにアップアップな状態で、しかも奥さんが更年期障害で少々、うつ病っぽくなってしまい、勉強に加えて奥さんの世話、家計・税金の支払いのための労働、そんで勉強とハードな生き方をしているおっさんでした。

そんな忙しいおっさんに、自分の勉強の仕方やアイデァをこと細かく知ってもらうことで、なんとか勉強の重みを取り去ろうとした事が当サイト「独学のオキテ」の源流でした。

がんばっている人を見たら応援したくなるのが惻隠の情です。ディレクトリ型学習の多くはそのおっさんに伝えたことがメインとなっています。

自分の勉強の方法やコツを、余す所なく伝えたものでした。

しかしながら、そのおっさん、オイラの話に耳を傾けてはくれるのですが、なんだかさびしそうな顔をしていました。オイラの好意はわかっているのだが、いかんせんどうにもならない、という感じの顔付きでした。

最近になって、なんでそのおっさんが、そのようなさびしい顔をしていたのかわかりました。「年齢」による記憶力の低下は、想像以上に大きいことが、薄ぼんやりとわかってきたからです。

はずかしながら、当時は、資格試験のメイン作業である記憶行為は何度も問題集を繰り返せば、大体受かるものだと思っていました。今でもそれは、正しいと思います。

多くの人が、問題演習が少ないために落ちています。そう、何回も過去問や問題集を回せば、ほとんどの試験は合格します。

基本的に覚えたモンが勝つ、資格試験の真理は不動です。

しかしながら、その受験者は「ある程度」の若さが前提で語られていることに気付きました。要するに、勉強していても、若い年代の人は「いつのまにか憶えてしまう」のが多いのです。

老いの実感−キレイさっぱり忘れる始末

私自身、記憶力があるほうではなかったので、何回もやることを前提に勉強の計画を立てています。しかしながら、最近、30の壁が見え始めると、だんだん、「身体」という物理現象に変化が起こってきているのがわかるようになりました。

キレイさっぱり忘れるようになりました。

これまで、テキストや問題集をやっても「あーこんなんあったなぁ」とイメージではありますが、やったことがあるのは覚えていたものです。ひとつかふたつのキーワードも拾えていました。

しかしながら、昨今、全く記憶にない現象が起きるようになりました。

「??こんなんあったけ??」とアンダーラインや蛍光マーカーを引いた箇所で首をひねるようになったのですよ。ひどいときにはメモ書きをした箇所でもです。そんなことが何回か起きるようになって、あーーこれが記憶力の低下か、と思ったのでした。

実はコレ、通関士試験の時にウスウス感じていました。「あれ、覚えれないぞうぅ」と記憶するための着床時間が延びてきている経験を何度も味わいました。それでもまだ、若い年代に入るので、記憶できるようにはなったのですが。

記憶力の低下をはっきり認識したのが、基本情報処理技術者の勉強でした。「横文字のわけのワカラン用語」は、もはや勢いで何度も繰り返したらよい、というレベルに関係なく覚えれないことがわかりました。

とにかく、従来のやり方では、忘れてしまうのです。

自分に関係のないことを無理やり覚えさせようとしても、効果が期待できないのです。

御年配の方なら、自分と関係ないことは、即時忘却してしまうことを何度も味わってきたのではないでしょうか?物理的に記憶する力が衰えてきているのですから、やはりそれに応じたやり方があると思います。

若いときのジャイアント馬場は、32文ドロップキックやジャンピングネックブリーカードロップを愛用していましたが、レスラー人生の後半は16文キックを使うようになりました。アントニオ猪木が「延髄切り」でレスラー人生を延ばしたように、やり方を少し変えていこうという試みです。

「中高齢者のための独学のオキテ」は、このような加齢に伴う記憶力の低下とうまく付き合いながら、資格試験の勉強をするための適当な方法を考えて生きたいと思います。

若い人で「おぼえられない」というのは努力不足・演習不足が原因の8割を占めるので、何回か問題集を繰り返してくださいなw

物理的に覚えます。

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