簿記2級の勉強時間

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

簿記2級は、文理ともども“苦労”をする資格なので、相応の時間がかかります。短期合格は、現下の本試験では「運」が絡むので、当てにしない方が賢明です。序盤から苦手科目を把握して、手を売っておくとはやくなります。

 結論から言うと、簿記2級の勉強時間は、文系は『4ヶ月(推奨:6ヶ月)』で、理系は『3ヶ月(推奨:4ヶ月)』を見ておきます。

 「簿記2級の独学」でも述べていますが、簿記2級には、『捨て問』という存在がなく、商業簿記と工業簿記・原価計算の両科目に精通して、「できる」ようになっておかないと受かりません。

 おおむね、文系の人は工業簿記・原価計算に時間がかかり、対して、理系の人は商業簿記に時間がとられます。

 簿記3級と比べて、明らかに勉強時間が必要となるので、しっかり学習計画を練ってください。

文系の勉強時間

 文系の勉強時間が『4ヶ月(推奨:6ヶ月)』なのは、おおむね工業簿記・原価計算に時間が取られるからです。

 難問が増えたとはいえ、商業簿記は、まだ大丈夫なのです。難しさの方向性は似ているし、他で点の取れる問題が多々あるし、解けない問題は誰も解けないからです。しかし、問題は、“異質の”工業簿記・原価計算です。

 文系の人は、工業簿記・原価計算の出来・不出来で、勉強時間がかなり変わります。

 つまりは、文系であっても、工業簿記・原価計算が何気に得意で、苦手意識が全然ないなら、上記数字はグッと短くなるという塩梅です。

 つまり、「3~4ヶ月」もあれば、合格レベルの力を身に付けることができるのです。

 反対に、工業簿記・原価計算が苦手なら、4ヶ月ではなくて、推奨期間である「6ヶ月」を見ておかなくてはいけません。

 工業簿記・原価計算は、急に実力が伸びる科目です。つまり、反対に言うと、当該「急に」が起きないときは、少しも全く実力アップの実感がなく、「わからない」という砂を噛み続ける、ジャリジャリ状態が続くって寸法です。

 「それ」がいつやってくるかは、個人差があるので、わかりません。

 でもまあ、コツコツと「6ヶ月」もやっていれば、その中途でどれほどわからなくても、急にぱっとわかるようになって、例外なく「点数は取れるようになる」のは間違いありません。

 これがため、文系の推奨・安定・安全の勉強時間を「6ヶ月」としている寸法です。

 ところで、商業簿記は基本、暗記と記憶がメインなので、追い込みが結構効きます。

 連休や土日祝に一気呵成に勉強すれば、何とか合格ラインの力は身に付きます。勧められませんが、試験の直前で商簿を済ましてしまうのも手です。

 しかし、逆は無理です。つまり、直前になって工業簿記・原価計算をいくらがんばっても、詮はありません。

 工業簿記・原価計算が苦手な人は、試験勉強の序盤から、少しずつでいいので、その内容を消化していってください。

 毎日コツコツやることが大事です。先述したように、最長で6ヶ月あれば合格ラインには到達できるので、工業簿記・原価計算が苦手な人は、「長期戦」で臨みましょう。

理系の勉強時間

 理系の人は、おおむね『3ヶ月(推奨:4ヶ月)』を見ておきます。

 データや数字を取り扱うのに長けている人なら、簿記2級の工業簿記・原価計算は、それほど難しくないはずです。

 最初の方に、工簿のテキストをざっと読んで、難易度の実感を掴んでください。

 (あー、こういうことをするのね)的な感じなら、あまり時間をかからずに、合格レベルに到達するでしょう。

 反対に、(何これ?全然ワカランチン)だと、かなりピンチですので、勉強時間を多めに確保しておく必要があります。

 理系の人で時間を食うのは、商業簿記の、杓子定規な、ルールブックを憶えるような会計処理の勉強です。

 一言で言えば、「かったるい」のです。

 個々の会計処理は「これしかダメ」であり、「そうしかできない」ので、「そっくりそのまま」を、頭の中に詰め込んで行くしかありません。

 当該暗記時間や慣れの時間を多めに見込んで、『3~4ヶ月』という時間にしています。

 しかし、とはいえ、先述したように、商業簿記は基本、暗記と記憶なので、追い込みが効きます。

 推奨はしませんが、時間がないようなら、ざっと工業簿記・原価計算を済ませてしまって、直前期に商業簿記に没頭すれば、足切り点は確保できるかと思います。

 正直、工業簿記・原価計算の「できる人」は、それらをあまり勉強しなくても、点数が取れてしまいます。「省略が効く」のです。

 対して、商業簿記は、努力がストレートに点数に出ます。言うなれば、「勉強しておかないと点数が伸びない」という塩梅で、省略が効きません。

 一時にまとめてやるか、毎日コツコツやるにせよ、「勉強しないとダメ」なのが商業簿記ですので、注意してください。

 ギリギリになって、商簿のボリュームとめんどくささに、打ちひしがれませんように。

補足的なこと

 まずは教材について述べておきます。簿記2級は受験生が多く、市場規模が大きいため、たくさんの教材が売られています。

 つまり、独学向けのものからそうでないものまでが、たくさん売られているという塩梅です。

 経験者は語りますが、ダメ教材というのは大概が言葉不足の舌足らずであり、説明不足やら図表の欠落やらで、余計な手間を“かなり”食います。

 ダメ教材は、“その一言が何でいえねんだよっ!”なる代物です。数百円を節約して、無用な時間を費やすのはナンセンスの極みです。

 「教材レビュー」を参考して慎重に選ぶよう、老婆心ながらアドバイスしておきます。

 あと、電卓も、ペラペラ計算機を使っているなら、買い替えを絶対推奨します。バカみたいに能率が上がります。

 なお、計算機を選ぶ際は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」を参考にしてみてください。

 が、読んで考えるのがめんどくさい人は、「売れ筋の電卓は、結局なに?」で選べば支障ありません。

簿記2級のこまごましたもの

 簿記2級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記2級:ブログ記事」をばご参考ください。

 また、簿記2級の求人数等を、「簿記2級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。

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