はじめに-マーガレット・ヒルダ・サッチャー
(Baroness Margaret Hilda Thatcher )
イギリスの政治家。女性として初めて保守党党首および英国首相(在任
1979年 - 1990年)となった。保守的で強硬的な性格から、鉄の女(Iron
Lady)、アッティラ(Attila the Hun)などの異名をとる。旧姓はロバーツ(Roberts)。
(By Wikipedia)
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サッチャーさんは、鉄の女といわれました。どんな激しい抵抗に遭おうとも自分が正しいと信じる道を突き進みたい人向けの伝記です。
サッチャーさんの在任当時のイギリスは、経済的に政治的に行き詰っており、「ゆりかごから墓場まで」に代表される福祉政策の転換期でした。
すべきことがある。
しかし、それをやれば、まず弱者が滅ぶ。
そうであれ、敢えてそれをやる。
人生とはセットのようなものです。人生の壁や困難にあたっている人は、とても面白く読めるのではないでしょうか?
結局、一国の宰相になっても本質的に同じようなことで苦しんでいるものなのですよ、というわけです。
責任の重さは全然違いますけど^^
あと、責任の重さをどうにかしたい、という人も読めば、責任とのうまい付き合い方・コツが掴めるかと思います。
管理職向けw
失業者が必ずでる政策
前述しましたように、当時のイギリスは「ゆりかごから墓場」までといわれるような、大福祉国であり、規制大国でした。
政府が関与しないものはないといわれ、ほとんどが政府の介入を前提とした経済・社会体制でした。
わかりやすくいえば、保護政策が徹底されており、コストの高い社会であったのです。
→ピンと来ない人は、こう考えてください。まず、石炭の炭鉱があります。外国から買えば1キロ100円で買えます。しかし、イギリスにも炭鉱があってそれを生業とする人達がたくさんいます。そういう人達の職を保護する意味で、輸入を制限し、各企業には高コストの1キロ300円の石炭を買うことを義務付けます。1キロ300円の石炭で作った電気は、やはり原料のコストを反映したものになっています。電気というエネルギーが高ければ、飲食店の電気も高くなるので、食事代も高くなります。そんなかんじで、規制大国であったときのイギリスは、15%ほどのインフレでした。
このような「大きな政府」を改革して、できるだけ政府の介入は少なくし、民間の力を伸ばし、イギリスの全体的な国際競争力を取り戻す!というのがサッチャーの政策です。
わかりやすくいえば、現在でいう、規制緩和のブームを生み出したのがサッチャーさんです。
政府によって保護された業界(炭鉱などなど)は、その規制政策によりほとんど競争力がなく、赤字を政府補助金によってまかなう始末の状態です。
規制をなくし、外国との競争にさらすということは、失業者を確実に増やすということです。当事、規制緩和の真っ只中のイギリスに行った旅行者(オイラのゼミの先生)はあまりの失業者の増加にびびったそうです。
利権、それも国民の職というものにからんだ利権と困難な状況なかで、知性と理性により、「割り切って」行動しまくる姿を垣間見ることができるのではないでしょうか?
読んでいて、よーやるなぁを感心するしきりでした。
前文に「情が深いのは男性だ」といったのは、間違いを犯すことを恐れずにいえば、責任ある立場の人間で、男性なら、おそらく、規制緩和によって浮浪者が続出する政策は取れないと思いました。
たとえば、リストラという首切りは切られるほうも、切る人事の方も大きな負担をもたらすと聞いています。
それを割り切れる人は、ぶっちゃけいえば、人事コンサルタントくらいでありましょう。
折衷的というか、規制緩和も続けつつ〜福祉的な政策も取る、という中途半端な政策しか取れないでしょう。
それを、サッチャーさんはばっさりやっていく。ばっさりといえば、さっさとやるように見えますが、丹念に説得と反論、調整を繰り返し、世論の支持を取り付けながら自分の信ずる道・政策にまい進していくのです。
鉄の女とはよく言ったものだと感心します。怖いね〜。
大きく目を開けば、それほどの困難はない。
フォークランド戦争、IRAテロリズム、炭鉱スト、、、国内外でも重要問題と、政権維持のための人事権云々かんぬん。
我が身を振り返れば、そんなことに対して指導していかなければならないわけじゃないんだから、気が楽といえばラクだなぁと感じるのではないでしょうか?
伝記を読む効用は、自分の問題から離れられることです。
問題になっている状態というのは、問題にばかり気が行ってしまい、近視眼的な見方しかできない状態になっているといってもいいでしょう。
近視眼的にじっくりみれば解決できるかもしれませんが、ときには距離を置いて、痛みが出ようとも解決しなければならない問題もあります。
そんな人生のアンビバレントな問題に当たる様になってきたら、ぜひとも読んでみて下さい。きっと、サッチャーさんの手法は、人生に取り入れることができると思います。
※ 規制緩和がうまく行ったのは、イギリスだからさぁ〜という突っ込みはやめてチョw
※ 政治風土云々をいうのもやめてチョw
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