イブプロフェン‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 イブプロフェンは、「精神神経に作用する薬」の「解熱鎮痛薬」の「解熱鎮痛成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介しています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

傾向と優先順位

 ご存じのように、「イブプロフェン」は、「解熱鎮痛薬」の「解熱鎮痛成分」として登場します。

 市販薬には、「ディパシオIPa 100錠」や「イブA錠」、「アダムA錠」などがあります。

 ところで、「解熱鎮痛薬」は、薬局やドラッグストア等での主力商品であるため、登録販売者と「縁の深い医薬品」です。当該実務事情を反映して、本試験でも、突出した出題率があり、ほぼ毎年、選択肢に顔を出しています。

 「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。

 優先順位は「とても高い」です。

 なお、イブプロフェンは、「風邪薬」の成分でもあります。とはいえ、試験的には、区別する必要はあまりなく、論点の大半は、被っています。同じように勉強する、または、復習がてらに勉強するといった進め方で結構です。

過去問○×問題

 イブプロフェンは…、

 ①イブプロフェン----------解熱鎮痛成分

 ②イブプロフェンは、アスピリンに比べて胃腸への悪影響が少ないことから、一般用医薬品として、小児向けの製品もある。

 ③イブプロフェンは、アスピリン等に比べて胃腸への悪影響が少なく、抗炎症作用も示すことから、頭痛、咽頭痛、月経痛、腰痛等に使用されることが多い。

 …といった感じで出題されます。

 細かいところまで問われるので、テキストを満遍なく読んでおかないと、取れない問題となっています。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

例題解説

 先の○×問題の解説です。

 ①は、超基本問題です。

 「イブプロフェン」は、いうまでもなく、「解熱鎮痛成分」です。

 こういう問題が出ても大丈夫なように、テキストを読み込んでおきましょう。

 よって、①は、「○」となります。

 なお、こういう卑しい問題は出ないと思いますが、「解熱“鎮静”成分」のような、漢字入れ替え問題にも、一応、注意しておきましょう。

小児はポイント

 次に、②「イブプロフェンは、アスピリンに比べて胃腸への悪影響が少ないことから、一般用医薬品として、小児向けの製品もある」ですが、これは、ド頻出事項です。

 医薬品の成分には、「小児に使用できない」という重要論点があり、イブプロフェンは、まさにこれに当てはまります。

 「イブプロフェンは、一般用医薬品の場合、15歳未満の小児には、どんな場合にも使用してはならない」となっています。

 先に挙げた「ディパシオIPa 100錠」や「イブA錠」、「アダムA錠」の商品ページでは、「■■してはいけないこと■■」の「次の人は服用しないでください」の欄に、「15歳未満の小児」となっているので、確認してみましょう。

 当該「■■してはいけないこと■■」は、実務上重要でもあるので、100%試験に出ると思ってください。

 さて、本問②は、前半は正しいのですが、後半の「小児向けの製品もある」ところが、思いっきり間違っています。

 よって、②は、「×」となります。

ド定番論点

 最後の③「イブプロフェンは、アスピリン等に比べて胃腸への悪影響が少なく、抗炎症作用も示すことから、頭痛、咽頭痛、月経痛、腰痛等に使用されることが多い。」ですが、これもそのまま憶えておくべきことです。

 前半の「イブプロフェンは、アスピリン等に比べて胃腸への悪影響が少ない」ですが、よく出ます。

 んで後半の「抗炎症作用も示すことから、頭痛、咽頭痛、月経痛、腰痛等に使用されることが多い」も、よく出題されます。

 本試験では、たとえば、「イブプロフェンは、プロスタグランジンの産生を抑制することで消化管粘膜の防御機能を低下させるため、頭痛や咽頭痛等の風邪の症状だけに使用するのがよく、月経痛、腰痛等には適切ではない」などと出ます。

 結構、アレレとなるので、どういう痛みに効くのかも、押さえておきましょう。

 余裕があれば、先の市販薬のページの効能・効果「頭痛・歯痛・月経痛(生理痛)・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛・ 肩こり痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・耳痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛」のところも、目を通しておきましょう。

 よって、「○」となります。

他の試験頻出ポイント

 イブプロフェンの頻出事項を、ざっくり見ていきます。復習用にどうぞ。

 先の○×問題のポイント以外には、「無菌性髄膜炎を生じやすい」があります。これは、イブプロフェンの固有論点ですので、しっかり憶えておきます。

 ごぞんじのように「無菌性髄膜炎」は、首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐き気・嘔吐等の症状があらわれるわけですが、特に全身性エリテマトーデスまたは混合性結合組織病の治療を受けている人で多く報告されています。

 ちなみに、先の治療を受けている人は、「使用前に医師に相談する」ことになっています。

 なお、「無菌性髄膜炎」は、「主な副作用の時間のまとめ」も参考にしてみてください。「急性」です。

 最後に、イブプロフェンですが、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)してぜんそくを起こしたことがある人」は、「アスピリン喘息を誘発するおそれがあるため」、「使用しない(服用しない)」となっています。

 「適正使用」でも、問われる可能性があるので、押えておきましょう。

 このあたりを押さえておけば、だいたいの選択肢は、判別できるはずです。

注記からも出題が

 解熱鎮痛成分ですが、キツイ成分のため、実によく出る成分となっています。

 よって、あらゆる論点はチェックしておくべきなのですが、「注記」からの出題が、「香川県 R3 第65問」にありました。

 注記の…、

 「肝機能障害を生じることがある主な成分:アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、葛根湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯、麦門冬湯」

 …のところが正面から問われており、先の問題では、「アセトアミノフェン ― 肝機能障害」の正誤が問われました。「〇」です。

 さて、漢方処方製剤では、「肝機能障害」が主たる論点なので解けるにしても、カタカナ成分の「肝機能障害」は、盲点となりがちです。

 今後の出題に備えて、「イブプロフェンには、肝機能障害の副作用もある」と、押えておきましょう。

 先の注記部分の「アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン」のところは、頭文字を取って、「アアアイ…肝機能障害」くらいに頭にねじ込みましょう。

「適正使用」対策

 先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。

 「イブプロフェン」ですが、「使用(服用)しない」の論点が3つあります。

ぜんそく

 まず、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)してぜんそくを起こしたことがある人」は、「使用しない」です。

 「理由」は、「アスピリン喘息を誘発するおそれがあるため。」です。

 頻出論点なので、押えておきましょう。

 参考:適正使用対策‐アレルギーの既往歴

15歳未満の小児

 次に、「15歳未満の小児」には、「使用しない」です。

 「理由」は、「一般用医薬品では、小児向けの製品はないため。」です。

 これも、実によく出ます。

 なお、アスピリン系の「理由」は、「外国において、ライ症候群の発症との関連性が示唆されているため。」です。

 「理由」だけ、異なっているので、注意してください。 参考:適正使用対策‐小児<

【出題実績あり】出産予定日12週以内の妊婦

 次に、「出産予定日12週以内の妊婦」には、「使用しない」です。

 「12週」という数字の限定がされている論点です。

 出題者側からすると、実に、出しやすいので、これも、ゼッタイに押さえておくべきです。

 参考:適正使用対策‐女性系

 なお、「適正使用」の問題なのですが、当該禁忌の「出産時の母体への影響(妊娠期間の延長、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加)」が「福岡県 R4 第58問」で、正面から問われています。

 過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、チェックしておきましょう。

相談すること

 「イブプロフェン」ですが、メジャー成分なので、「相談すること」まで問われる可能性が「大」です。

 数が多いですが、固有事項だけは、押えておきましょう。

 まず、「イブプロフェン」だけに出る、固有事項の「相談すること」ですが…、

 「基礎疾患として、全身性エリテトマトーデス、混合性結合組織病のある人・・・無菌性髄膜炎の副作用を起こしやすいため。

 「胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン氏病にかかったことのある人・・・プロスタグランジン産生抑制作用によって消化管粘膜の防御機能が低下し、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン氏病が再発するおそれがあるため。

 …となっています。

 実に特徴があるので、試験問題として、実に、出しやすいです。

 出題実績のあるところなので、この2つだけは、押えておきましょう。

 参考:相談すること‐基礎疾患3

残りの「相談すること」

 先の固有事項以外の「相談すること」ですが、挙げていくと…、

 「妊婦又は妊娠していると思われる人・・・妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため。

 「肝臓病・・・肝機能障害を悪化させるおそれがあるため

 「心臓病・・・むくみ(浮腫)、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加し、心臓病を悪化させるおそれがあるため

 「腎臓病・・・むくみ(浮腫)、循環体液量の増加が起こり、腎臓病を悪化させるおそれがあるため。

 …となっています。

 このあたりは、「医薬品」でも出るところなので、ここぐらいは、押えておきましょう。

 参考:相談すること‐妊婦等

 参考:相談すること‐基礎疾患1

 参考:相談すること‐基礎疾患2

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「ディパシオIPa 100錠」や「イブA錠」、「アダムA錠」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「解熱鎮痛薬」の他の「解熱鎮痛成分」へのリンクです。

 アスピリン

 サザピリン

 サリチルアミド

 エテンザミド

 アセトアミノフェン

 イブプロフェン

 イソプロピルアンチピリン

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '23年版 (2023年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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