危険物取扱者 乙種1類(乙1)の独学

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 危険物取扱者 乙種1類(乙1:酸化性固体)の独学に必要なことを最小限にまとめています。合格率、勉強方法、独学向け教材について。危険物の数は「27」。ボリューム大。乙1の合格率は60%後半と高いが、年々下がってきており、受かりにくくなっている。難化傾向は明白。おまけの、甲種受験資格の「乙1と乙6の選択」についても言及。

乙1(酸化性固体)の合格率と独学可否

 乙1の合格率は、直近6年の平均で「68.1%」と、高い合格率です。

 しかし、かつては「70%以上」はあったのです。合格率はこの2~3年で7割を切り、直近の平成28年度は、「65.5%」に下がり、年々、受かり難くなっています。

 参考:乙種1類(乙1)の合格率と挫折率

 乙1の受験に当たっては、危険物取扱者試験そのものが、「難化傾向」にあることを、頭の片隅に入れてください。油断していると足元を掬われて、落ちます。

 が、反対に言えば、きっちりとテキストと過去問を消化していれば、まず合格できる試験である、といった手合いです。

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は、テキストは文系向けの「チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版」を、過去問は「乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験」を利用します。

 実績のある学習環境と、「油断大敵」と「甘く見ない」が、乙種1類の独学合格の要諦です。

 公式の過去問(例題)に解説を付与しました。問題レベルや傾向は、「危険物取扱者 乙種1類(乙1)の公式過去問+解説インデックス」を参考をば。

乙1の独学について

 先に結論を言うと、「作業量が多いが、だからこそ安心。」です。

 乙1は、「27個」の危険物が試験対象で、乙種の中では、2番目に危険物の数が多いです。つまり、「勉強しなくてはいけないこと」がたくさんある、ってな次第です。

 しかし、だからこそ、「本試験が怖くない」のです。

 危険物の数が多いと、出題者側は「量的」に攻めることができるので、1問1問の難易度が下がる、といった手合いです。ガチ難問も出ますが、他の基礎・基本系の問題で、まず合格点は確保できます。

 たとえば、乙6(酸化性固体)は、危険物が6個しかないため、難問率が激高で、乙種の中でも合格率は低目になっています。

 「27個」も危険物もある「乙1」は、そのボリュームに手を焼きますが、それゆえに、勉強すれば間違いなく合格できる、という次第です。

 ちなみに、危険物の数が一番多いのは、「乙4」の「30個」です。つまり、一番「性消」がかったるいのは、「乙4」という次第で、この「乙4」に受かっているのですから、「乙1」もまず通ります。言うほど、心配する必要はありません。

 乙4がラスボスなら、乙1は中ボスレベルです。

 参考:危険物の数:乙1→27個、乙2→12個、乙3→15個、乙4→30個前後、乙5→17個、乙6→6個。なお、使用テキストによって、若干数は変わります。

傾向も勉強方法も大差なし

 試験の傾向は、乙4と変わらず、「5:5」か「6:4」の問題構成です。

 先の数字を補足すると、性消の全問題数「10問」のうち、基礎・基本レベルのカンタン系が5問か6問、点数の取りにくい難問系が5問ないしは4問出題される、という次第です。

 カンタン系は、テキストと過去問を仕上げておけば、点が取れます。ほとんど同じ問題だからです。

 対して難問系では、テキスト外・過去問外の未知の問題で構成され、全く見聞きしない問題が1~3問、最悪、5問出る可能性があります。まあ、しかし、テキストと過去問レベルの選択肢も多く、全く点数が取れないというわけではありません。

 合格のポイントは、「カンタン系で点を稼ぎ、難問系の失点をカバーする」ってな次第です。

 さて、乙1の試験勉強ですが、乙4の「性消」と同じです。

 乙1だからといって、別段、変わったことをするわけでもなく、極端に試験の傾向が変わるわけではありません。

 乙4同様に、各危険物の色や、水に溶ける・溶けないかとか、爆発するかしないとか、各危険物の特色や、個々の消化の方法を憶えていくだけです。

独学向けの教材

 「教材レビュー」にて詳細に述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストには、文系でも使えるし、基本問題が多くて挫折の少ない「チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版」を…、

 過去問には、唯一の市販過去問である「乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験」でそろえれば、鉄壁です。(当該過去問は毎年版が改まるので、必ず『年度』を確かめて、受験年度の適っているかどうかを確かめてください。

 乙1の合格率は高いですが、それでも、危険物取扱者試験自体が難化しているので、テキストに過去問を追加するほうが無難です。

勉強時間‐2~3週間

 結論から言うと、「2~3週間」がベストです。

 「1週間」でも合格はできますが、強行軍となるので面倒くさいです。

 「2週間」あれば、本試験には間に合います。

 先述したように、乙1は危険物の数が多いので、試験勉強に手を焼く可能性が高いです。ですから、あと「1週間」を見て、「3週間」としています。「3週間」あれば必要十分で、心に余裕を持って試験に臨めます。

 反対に、これ以上の期間だと、逆に「だれる」し、「忘れる」ので、「2~3週間」くらいがちょうどいいと思います。

 なお、乙1の論点の大半は、通勤や通学で消化できます。ちょっとした細切れ時間が「いい勉強」になるので、このくらいの期間で大丈夫です。

 当方が受験したときは、片道25分程度の通勤時間が勉強時間でした。

難易度‐勉強は手間・面倒

 一口で言うと、「ちょい手間だが、我慢できないことはない」です。

 乙1は、危険物の数が多い上に、ペルオキソほう酸ナトリウムなど、聞き慣れない危険物が多くて、最初は苦労します。

 また、乙1の危険物には、独特の特徴が多く、たとえば、「塩素酸ナトリウムは、紙や木、繊維にしみこんで乾燥すると、加熱・衝撃・摩擦で爆発する」とか、「過酸化ナトリウムは、湿った有機物、とりわけ、紙や繊維類に接触すると燃焼し、ときに爆発する」など、それぞれの特徴を押さえるのに、めんどくさい思いをします。

 「各危険物の固有事項の多さ」に苦労はしますが、目が点になるほど難しい特徴はないので、時間を取って、少しずつ消化していけば、大丈夫です。

 先述したように、本試験では、凝った出題は少数で、知っていれば解けるオーソドックスな問題が多く、難問を数問目にすることはあっても、まず、合格点は確保できる、といった寸法です。

 試験勉強は面倒でも、本試験のプレッシャーは低いです。

乙1の勉強方法

 先述したように、乙4の「性消」でやったことと同じ勉強をすれば受かります。

 参考:乙4の独学

 要点だけ述べると…、

 ①最初は、各危険物の1番の特徴だけをおさえる。

 ②共通するものは、語呂合わせで、まとめて憶える。

 ③横断学習をする。

 …といった次第です。

まずは、問題演習

 まあ、まずは、問題を解きながら、各危険物の特徴を押さえていきましょう。

 テキストの問題を1回でも解けば、どこをどう憶えていけばいいか、眼目が見えてくるものです。

 テキストの問題演習を元に、各危険物の特色や特徴を、少しずつ、頭に入れていくのですが、ここでポイント①です。

 一時に憶えようとするのは、独学ではご法度です。少しでいいです。

 たとえば、「塩素酸カリウム」なら、「爆発」だけでいいでしょう。(塩素酸カリウムは、少量の強酸で爆発、可燃物・有機物と混じると、少しの刺激で爆発します。)

 たとえば、「塩素酸ナトリウム」や「過塩素酸ナトリウム」なら、「潮解性」だけでいいでしょう。

 『色』も、特徴がよく出ます。

 たとえば、乙種1類の危険物は、大半は白色・無色なのですが、「過マンガン酸カリウム」だと「黒紫色か赤紫色」と、際立った特徴があります。

 「重クロム酸アンモニウム」や「重クロム酸カリウム」も、「橙赤色」と色に特徴があるので、まるっと憶えるといいでしょう。

 テキストには、危険物の性質がグダグダ羅列されていますが、一番憶えやすいところから手を付けるのが、短期合格+省力合格のコツです。

まとめて憶える

 乙1は、大半が「冷却消化」です。

 しかし、ごくまれに「窒息消化」のものがあります。過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化バリウムですが、「過酸化系は窒息」とまとめて憶えたほうが効率がいいです。

 そのほか、「水に溶ける」「水には溶けない」「お湯には溶ける」「エタノールには溶ける」「エタノールには溶けない」なども、何気に問われるので、個々にまとめてから、憶えるとよいでしょう。

語呂合わせ

 同じ特徴のものは、語呂あわせで憶えてしまいます。

 個人的なくだらない憶え方ですが…、

 潮解性…「塩素酸ナトリウムと過塩素酸ナトリウムが、メタル歌謡ショー、生参加参加。」

 …実質、「メタル歌謡ショー、生参加参加」のところだけが語呂です。…乙1、語呂が作りにくいんです。

 「メタル歌謡」は、「メタ過よう素酸」で、「ショー、生」は「硝酸ナトリウム」で、「参加参加」は「三酸化クロム」です。

 こんな風に、語呂を自作していってください。1つ1つ憶えるより、格段に手間が省けます。

 語呂合わせ作りも、立派な試験勉強の1つです。

乙1まとめ

 問題演習をして、主要な論点、頻出論点をまずは押さえます。序盤は1個くらいでいいです。

 で、問題演習ではカバーできないところは、何度もテキストを読み込んだり、語呂合わせや横断まとめで、頭に入れていきます。

 乙1は、難化傾向にあるとはいえ、先に紹介した「チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版」と「乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験」を、2~3回解いていれば、まず、落ちることはないでしょう。

 乙4同様に、乙1も「回数」で合格です。

 毎年合格率は下がっていますが、それでも「60%」台であり、きちんと勉強したならまず、合格点の6割は確保できます。

 油断せず勉強すれば、「乙1」に落ちることはまずないし、1回の受験で独学合格できるはずです。

おまけ:甲種受験資格‐乙1と乙6どっち?

 乙1は、甲種の受験資格の獲得のため、取る人が多いです。

 乙種のうち、特定の4つを持っていると、甲種の受験資格になります。

 ちなみに、甲種の受験資格とは、『乙3と乙5が固定で、(乙1 or 乙6)、(乙2 or 乙4)』の4乙種です。

 そこで、乙1か乙6を選択することになるのですが、個人的には、「乙1」のほうを勧めます。

 理由は、乙1は、勉強すれば間違いなく合格できるからで、乙6は、多少、運の要素があるから避けたいのです。

 乙1は、先述したように、危険物の数は「27個」あります。対して、乙6の危険物は、「6個」しかありません。

 数字だけすると、乙6のほうがカンタンそうですが、本試験の実情は、そうではないのです。

 乙6は、出題の対象が「6個」しかないため、問題が難化しやすいのです。

 要は、試験間の調整が働く、といった次第です。

 他の乙種は最低でも10個以上の危険物があるのに、乙6だけは、「6個」と極端に少なく、それだけ、試験勉強の負担が軽くなっています。

 それなのに、乙6がいつもどおりの出題では、乙種間の試験に大きな差が生まれて、不公平です。

 このため、試験勉強の負担(=試験対象の危険物の数)に応じて、本試験問題の難易度を変えている、ってな次第です。

 わたしは、乙1と乙6の双方を受験していますが、本試験は、圧倒的に乙6のほうに手を焼きました。

 わたしが受けた乙6では、テキストで触れられていないことが多数問われて、往生しました。6割得点のギリギリ合格でした。

 対して、乙1では、ベーシックな「いつもどおりの」出題が多く、1問1問の難易度は低かったです。8割取れていました。

 ちなみに乙6は、乙種の中で合格率が低いほうです。

 まとめると…、

 1回の試験で確実に受かりたい人は、乙1がよいでしょう。試験問題はベーシックなので、勉強すれば、「自力」で合格点は取れます。また、甲種受験の予習にもなります。

 運否天賦でもいいという方や、勉強時間があまり取れない方は、乙6です。難問調整されるとはいえ、試験問題の半分は基礎・基本レベルなので、合格は可能です。

乙種のこまごましたもの

 乙種に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「危険物取扱者:ブログ記事」をばご参考ください。

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