危険物取扱者 乙種4類(乙4)の難易度

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 危険物取扱者 乙種4類(乙4)の難易度は、理数系の人は「カンタン・やさしい」で、文系の人には「難儀」な試験です。乙4には、最初から大きな「差」があるので気をつけましょう。

スタートラインに大差あり

 乙4は、「人」によって、“受かりやすさ”に結構な開きがあります。

 端的に言うと、理系だとスンナリ受かりますが、文系だと、勉強していても、運悪く落ちてしまう可能性があります。

 「乙4なんてカンタン」という人がいたら、その人は理系です。

 文系の人は、「乙4はカンタン」などと、取り違えないでください。乙4は、しっかり勉強していないと受かりません。

 ちなみに、乙4の合格率は、「20%台」に低下しています。数字からも油断できない試験となっています。

乙4の評価が「カンタン」と「ムズカシイ」に分かれる理由

 以下は、文系の人を対象に述べています。

 危険物取扱者 乙種4類(乙4)の試験には、3つの試験科目があります。

 「法令」、「性消(危険物の性質及び消火の方法)」、そして、「物化(基本的な物理及び化学)」です。

 前の2科目は、キチンと勉強すれば合格点の6割は取れるので、難儀ではないのです。

 しかし、問題は「物化(基本的な物理及び化学)」で、これが、とても厄介な科目となっています。

 「物化」が難しいのは、ひとえに、理数系の常識問題の存在です。

 たとえば、「すべての金属は固体である」という選択肢が出た場合、理数系の人や化学メーカー等にお勤めの方は、「×」と即答できるはずです。「水銀」は、常温で液体だからです。

 しかし、文系だと、「水銀」の存在なんか、意識の埒外で、頭のどこにもありません。すっごく遠いのです。ですから、『理数系では当たり前』のことなのに、「???」となってしまいます。

 わたしなんかは、(ターミーネーターの「T-1000」が液体金属だったから、金属すべてが固体じゃないんでないかい?)などと、どうしようもないトンチンカンな角度から解答したくらいです。水銀など、全く頭に浮かびませんでしたよ。

 また、「物化」では、これら理数系常識問題に加え、危険物を取り扱う際の注意事項等の実務・実際系の問題や、危険物一般についての問題が選択肢で問われることがあり、文系の人はますます頭を抱えることになります。

 しかも、「物化」では、市販のテキストでは触れられもしない・カスリもしない事柄が出題されることもあり、ますます対策が取り難くなっています。

 わたしは、大阪府の受験でしたが、「粉塵爆発」や「アセチレンガス?」が出題され、往生しました。選択肢の1つすら、わからなかったです。

 このように、「文系」にとっては、「物化」がいちばん厳しい試験科目であることを、頭の片隅に置いておく必要があります。

乙4の難易度まとめ

 乙4の山場は、「物化」です。「物化」さえ足切りを免れれば、乙4の合格はかなり近づいています。

 理系の人なら、難所はまずパスできるでしょうから、穏当に「乙4に受かりやすい=低負担で、あまり勉強せずとも合格できる」という次第です。

 もちろん、「法令」や「性消」のド暗記問題に、メンドクサイ思いを重ねるでしょうが、問題演習さえしっかりしておけば、すんなり合格できるでしょう。

 対して、問題は、文系の人です。

 受ける試験によっては、突拍子のない問題が出題されて、「法令」や「性消」は通っても、「物化」で足切りされる可能性が、厳然として残っています。

 つまり、「勉強していても落ちる」という次第です。

 「乙4の受け方は、午前・午後の2回受験(併願受験)」でも述べていますが、併願受験を利用して、全体の合格率を高めた上で、乙4を受けることを勧めたいと思います。

 乙4の難化傾向は今後も続きます。

 「教材レビュー」でも述べていますが、以前の乙4なら、テキストだけで合格できていました。

 しかし、難化傾向にある今は、問題集をプラスしておく方が絶対的に無難です。わたしが今受けるとしたら、必ず問題集を追加します。

 乙4はカンタンなどと思って油断していると、散々な目に遭って、せっかくの日曜と貴重な小遣いをドブに捨てることになります。

 文系は、「物化」で落ちます。文系の人は、「乙4はカンタンじゃない」ことをしっかり認識した上で、試験勉強に臨んでください。

乙4のこまごましたもの

 乙4に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「危険物取扱者 乙種4類:ブログ記事」をばご参考ください。

 試験科目個々の勉強方法は、「乙4の独学」をお読みください。

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