第21回‐仕訳過去問(H27/9実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『工事進行基準』の仕訳。第21回試験の第1問‐仕訳問題の4問目。当該論点は、他の問題で頻出だが、時折、本問のように仕訳問題として登場することもある。本問は、「見積り変更」バージョンの問題です。公式を頭に叩き込んで臨みます。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第4問‐工事進行基準

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

 (クリックして拡大。)

解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問のテーマの「工事進行基準」は、徹底して『公式の暗記』に尽きます。

 まず、テキストの公式を丸暗記です。あやふやなところがゼロになるまで、電車やバスの中で叫んで、警官から事情聴取を受けてください。配偶者がいい気味だとほくそ笑むはずです。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者のボルトを締めるときの方です。

公式

 「工事進行基準」の「見積り変更」の公式は以下のとおり。

 工事収益=修正後工事収益総額×当期末までの実際発生原価/修正後見積工事原価-過年度工事収益総額

 当該『公式』を、まずは丸暗記してください。

処理1‐おなじみ過年度収益

 公式の引き算部分の「過年度の工事収益(完成工事高)」から計算します。

 注意すべきは、「工事原価の見積り」があったのは、「当期」という時間軸です。

 んなもんで、「前期の工事収益(完成工事高)は、前期の見積りで計算する」ってな塩梅です。

 つまり、以前の見積原価「6,800,000」で計算して、修正見積原価「7,200,000」では計算しない、という塩梅です。

 このあたりは、けっこう混乱しやすいところなので、意識的に憶えておいて下さい。

 計算そのものはカンタンで、公式に数字をぶち込むだけです。

 「8,000,000×1,020,000/6,800,000-0」の「1,200,000」が、前期の工事収益です。

処理2‐当期の収益

 当期の工事収益(完成工事原価)は、「工事原価の見積り変更」があったので、先述したように、修正後の工事原価で計算します。

 当期の実際発生原価は「4,884,000」で、前期の実際発生原価は「1,020,000」なので、公式の分子部分「当期末までの実際発生原価」は、この2つを足したものになります。んなもんで…、

 「8,000,000×(1,020,000+4,884,000)/7,200,000-1,200,000」の「5,360,000」が当期の工事収益(完成工事高)となります。

 下線を引いた分母は、言うまでもなく、見積り修正後の工事原価です。

仕訳は2つ

 仕訳に必要な数字は計算できました。

 本問では、「工事に関する仕訳をしろ」とあるので、損益2つの仕訳を切ることになります。

 期末に行なう、恒例のアレです。

仕訳‐費用

 まず、費用のほうです。工事に費やした費用の総額である「未成工事支出金」を「完成工事原価」に振り替えます。

 問題文にあるように、当期の実際発生原価は\4,884,000なので…、

 借方:完成工事原価 4,884,000

 貸方:未成工事支出金 4,884,000

 …と相なります。

仕訳‐収益

 次に、収益の仕訳です。

 当期の工事収益(完成工事高)は\5,360,000です。当該金額はまだ受け取っていないので、売上債権として「完成工事未収入金」で処理します。

 「完成工事未収入金」は資産の増加で、完成工事高は収益の増加なので…、

 借方:完成工事未収入金 5,360,000

 貸方:完成工事高 5,360,000

 …と相なります。





まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 「工事進行基準」は、ホント、『公式の暗記』が必要です。

 あいまいにしか憶えてないと、本試験ではほぼ間違うので、完璧を期してください。

必ず!チェック!!

 建設業経理士2級の仕訳問題には、『解答に記号を付す』という、他の簿記試験にはない、固有の特徴があります。

 

 このように、勘定を書く左側に「記号欄」があり、当該記号は「使用勘定科目群」にあります。

 本試験という緊張している時だと、“ついウッカリ”忘れることがあります。

 あまり意味がないので面倒ですが、普段から、記号を記入する訓練をしておきましょう。毎回やっていると、身体が覚えるので、本試験でポカをしません。

21回‐第1問:仕訳

 1問:有価証券の種類・・・「ふつう」。

 2問:利益処分・・・「ふつう」。

 3問:貸倒れ・・・「ふつう」。

 4問:工事進行基準・・・「ふつう」。

 5問:手形裏書・・・「ふつう」。

 index

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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