やる気のでる過去問対策

やる気を持って過去問に立ち向かうためには、過去問そのものの性質を知らねばなりません。試験問題がどのように出題されるのか、出題者はどんなことを考えているのか、そんな個人的な覚書です。

はじめに−そもそも『過去問』とはなんでしょう?

当サイトでも、何回も出て来る過去問とはなんでしょうか?その意義をわかりやすく解説しました。過去問はやったほうが得ですよ。
→試験問題の出題者の考察へワープ

過去問とはテキストを読むためのサーチライト

過去問を単的に言えば、過去問はテキストを読むための最も便利な道具です。こでは法律の資格試験を念頭においていますが、基本的に出題される法律の条文全て、判例全て、解釈・通達全てを丸暗記したら絶対に受かります。

〇〇法の28条ってなに?
→すらすらすらすら〜と唱えれば、しかも解釈・通達・判例まで付け加えて暗唱できれば、100%受かるでしょう。

誰でもそうですが、こんな馬鹿げた事をする人もいないでしょう。毎日毎日、お経を上げるみたいに条文を前にしてブツブツ唱えることなんてできないからです。無駄というよりも、いわば拷問ですね^^

100%受かる方法である条文の全て暗記が、なぜ無駄で馬鹿らしいのでしょう?

わかりきった答えですが、条文の中には問われない部分もたくさんあるからです。判例・通達・解釈等はいわずもがな。

「テキスト」とは、出題範囲の条文の中から過去問を踏まえて、出題されてもおかしくないものをまとめ、上記無駄で馬鹿らしい行為・部分を省いたのが「テキスト」です。

これも同じ理屈ですが、テキストを丸暗記したら90%、ほぼ勝てます。丸暗記です。テキスト内のどのページにあることでも聞かれたら、即答できる状態ならば、試験問題を前にしてもテキストに載っていないこと以外の出題はほぼ解答し正解できるでしょう。

丸暗記までいかないでいいんじゃない、というのがわたしの考え方です。
だいたい、反応できたらいいんじゃないかと(・w・)

オカエリナサイ

過去問・問題集・模試等、すべての問題演習の最後は「テキスト」に戻ります。ディレクトリ型学習の方法では、まず最初にテキストをざっと流し読みしましょう、と主張してますが、この最初に読んだときと問題演習をこなしたあとで読むテキストは全く違います。

別物のように感じるのです。内容を把握したからというものではなく、テキストが立体的に見えるのです。直前期になれば、テキストは過去問・問題集・模試などのコメントで一杯かと思います。アンダーライン、マーカーも結構な数になってきます。

ココは過去問で問われた、問題集・模試で出されてる、何回もここは間違えている、過去何回もここは出されている・・・テキストを読んでいるとき、テキストの内容のそれぞれにこのような明確な意識はないんです。もちろんその旨の記述があれば、意識しますが^^

テキストを読んでいる途中は、「これ、忘れてるな」とか「これ、重要っぽい」てな風に色付ボールペンでコメントを入れたり、マーカーで線を引いているだけですが、その判断基準は過去問等の問題演習で染み付いた判断基準で行なってるのです。その判断基準のうち最も優先されるのが「過去問出題実績アリ」なのです。

過去問を何年分もする事の意味

これは単純に、データは多いほうがいいからです。理想は10年分ですが、法改正や社会情勢の変化で過去に問われたことがあてはまらなくなってきているので、そっくりそのままの過去問は危険です。ですから、「法改正対応済み」や「精選過去問題集」といった専門家の修正が入った過去問を使いましょう。

過去問は、基本的に本試験そのママで、10年分、法改正対応済み、がベストです。ですが、前述したように今となっては全然意味のないモノをするのは苦痛ですので、過去問から無駄な問題を省いた精選問題集もいいかと思います。(精選問題集の方が今の主流でしょうか?)

精選問題集もできるだけ問題数の多いものを選択しましょう。

わたしは「厳選」「精選」と銘打たれた過去問集で、その問題量が少ないものは遠慮する嫌いがあります。

誰も未来を予想できません。そしてその精選問題集を書いている人は「本試験の問題」を作った人ではないです。作った人なら使います。

最も単純な事実、その作者の予想・取捨選択の実績を自分自身が評価できないからです。だから、これだけすれば大丈夫!といった類のものは買わないのです。

それよりも危険なものは、「解説が少なく」「収録年数も少なく」「法改正にも未対応」な過去問です。出す方からしたら楽でしょうけど、もう少し考えて欲しいものです。

これを読む人が引っかからないように。もしその様な過去問をお使いでしたら、このページを読み終える前にゴミ箱に入れましょう。ゴミはゴミ箱に入れるものです。

トンチンカンな出題

小ネタです。過去問を解いていると突然、わっけわからんものが出てくるのです。ナニコレ?唖然とするようなこまかーーい問題に遭遇するかと思われます。

こういう事情です。

その年度に、そのトンチンカンな事柄についての法改正があった。
その年度では、そのトンチンカンなことが新聞等で大きく報じられた。
その年度のトンチンカンな事柄が、出題者の琴線に触れた。

これくらいの事情で出題されたものです。だから、あまり影響はないので無視して結構かと。ただ、特に時事なのですが、その様な形式の出題が続いてるようでしたら、カンを働かせて時事も適当に追った方がいいでしょう。やっぱり1点は大きいので^^

おまけ:試験問題の出題者の考察

なぜ、ここまで過去問、つまり過去に出題された問題が同じように問われるのかを考えました。

資格というのは、なんらかの監督官庁があるものです。社団法人化しても経営執行陣は天下りの官僚であって、執行陣が元官僚であればその組織も官僚っぽくなるものです。

官僚制というものを簡単にいえば、前例のないことはしない、のです。

それはなぜか?

問題が起こったら困る、というのもありますが、基本的に官僚のやることは正しいという認識があると思われます。つまり、これまでやってきたことは正しいのです。だから、これまでと全く違う事をするのは、これまでしてきた正しい事を否定する事になるのです。

この否定は、出題者のかつての前任であった『人』を否定する事になります。その前任者の否定は、もう一つ前の世代の前任者の否定になります。なんでそんな前兆があったのに変えんかったの?という責任を認めてしまうからです。

だから、変えれないんです。組織が再編成されるなどの大きな事態が起きない限り、出題の傾向は変えようがないのです。

「これからの時代の〇〇士、〇〇試験は△△のような人材が必要となる。だから試験問題や試験科目を変えないといけない!!」と出題者がやる気があったとしても、一気には変えれないのです。

変えようとするのも出題者からしたら微妙かもしれません。問題の傾向を変えてしまい、1点の差で合格者が数千人単位で変わってしまったら、その出題者の官僚人生は終わりでしょう。もしくは致命的。

ある年で合格者の人数に大きく差がでることは、いいことではないです。だからこそ、これまでどうりの結果がでるように、過去問を参考にして問題を作成するのではないか?と考えてるわけです。過去の出題形式・様式の問題であれば、その結果も大きく変わる可能性は少ないからです。

司法試験等の競争試験は、落とすための試験ですから過去問を超えたものを作成しますが、殆どの試験は過去問こそが最大の試験のヒントかと思います。

少しは、過去問学習の励みになれば^^
あなたのやっている過去問は再度、出される可能性が大!

過去問をやるということは官僚の保身を付くということです。

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