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爪先立ちの努力
人間、努力が肝腎だ、と申しますが、ヤレヤレと内心くじけるものでございます。 コツコツ続けていくしか能がないが故に、努力し続けるものでございます。 限りある身の力試さん、というわけであります。 とはいえ本音をいえば、さっさと済ませてしまえるなら済ませてしまいたいのでございます。 しかしまあ、そんな天分もないからやっていくしかないわけでございます。戦えるように戦うしかないものでございます。 さて、努力でございます。 お勉強の努力というのは、大変なようで、はっきりいえば大変ではないのでございます。 何より、期限が切られております。試験日までならがんばれます。 合格証を入手したら、それでいったんは終わりでございます。 目の前のことがしんどくなってきたら、もっと悲惨な人を思い浮かべるとようございます。 努力で大変なのが芸術家でございます。 例えば、落語家。その修行たるや目を見張るものがございます。 ピアノやバイオリンの音楽家。天賦の才能は非情でございます。天才の音色は、その他の同時代の音楽家を殺すものでございます。 彼らには、爪先立ちの努力が求められているのでございます。 終わりがない努力というのは、考えるだにしんどいことでございます。 古今の名著は読むものでしょう。毎日の練習は欠かさないものでしょう。発表会、公演で腕を磨くことでございましょう。アタマはいつもそのことばかりでございましょう。 まさに爪先だって、果てることのない努力をし続けていく、と申せましょう。 それに較べたら、われわれの努力なんていかほどのものか、というわけでございます。 まずは、やることが有限、有期限であることに感謝の意を持ちたくなるものでございます。 アレもしないと、これもしないと、と思えることが、ある意味幸せなのでございます。 努力の余地があるうちが
花でございますね。
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