磁気は減らず

磁石はいつまでも金モノを引き付けるものでございます。

引き付けなくなったとき、それは磁石のちからがなくなったのではないのです。

磁気が外に及ばなくなったのです。

磁石の周りにたくさんモノが引っつき過ぎたのです。

やる気は磁気に似ています。

やる気自体はあるのです、現に存在しているのです。

しかしやる気は何かにひっついて、ひっかかっているのです。

やる気というのは意思力に限られたものではありません。

「やろう」と思う気持ちだけが、やる気ではないのです。

もっと深いところの生気、生命力といいましょうか、そういうもので半分はできています。

やる気が引っかかるのは、疲れであったり心事であったりします。

子供が大怪我したり借金に悩まされたり手形にびくびくしたり、やる気はそういうものにくっついて、そういうものでいっぱいいっぱい膠着しているのです。

やる気は存在しないのでなく、邪魔をされているのです、そして本人も、一体なにがどのように、くっ付き引っ付きへばり付いているのか、わからない上に忘れてさえもいるのです。

ですから他人の励ましが気休めにしかならないのも、そういうことなのです。

やる気は自分でしか出せないものなのです。

古人は「一事を興すは一事を除くに如かず」と申しました。

やるなら何かを捨てなさい。

引っつき虫をひっぺがせ、やる気は自然と及ぶもの

だってあるんですもの

 

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